TOP > 各種報告 > 第39回全国消防職員研究集会

第39回全国消防職員研究集会

IMG_1338

「悲願の団結権獲得を見据え、組織拡大を!」テーマに第39回全国消防職員研究集会 が開催された。

 

2010年6月9日~11日

全消協第39回研究集会は「悲願の団結権獲得を見据え、組織拡大を!」をメインテーマに、6月9日~11日に三重県桑名市・ホテル花見月を主会場に開催されました。全国から113単協、373人が参加した。未組織職場からの参加は12消防職場19人の参加であった。
 開催に先立ち消防職員の尊き仲間の御霊への黙とうが行われた後、初日には基調講演や女性連絡会・ユースにおけるアンケート結果報告、二日目には課題別分科会、そして最終日には特別講演等が行われた。

本研修集会には、自治労中央本部副執行委員長の軍司輝雄さん、自治労三重県本部執行委員長の浜中正幸さん、民主党参議院議員の芝博一さん、桑名市の長水谷元さんにご参加いただき、団結権獲得を見据え、組織・強化拡大を最重点課題とする全消協への連帯を表明した。

初日の基調講演では、自治労中央本部総合組織局長の荒金廣明さんから「行政と労働組合の関係」について講演を受けた。荒金さんは、小泉政権で行われた三位一体の改革における地方交付税の削減による地方財政の圧迫、或いは人事院の形骸化等を挙げ、それに伴う一般行政職員を取り巻く環境の悪化を解説した。一方、消防職員を取り巻く環境については、昨年行われた政権交代により「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」の発足などの環境の変化を解説し、団結権回復が予想される2012年までに「組織拡大が最も重要だ」とし、全力を挙げて組織拡大を目指し、活動することの重要性を解説した。この消防職場における組織拡大には、自治労として「消防職員の組織化方針」に基づき、全消協と協力し活動することを表明し、団結権が付与された際には、「消防行政の運営には組合を媒体とし活用して欲しい」と述べ、講演を終えた。

活動報告として、女性連絡会のアンケート結果について、女性連絡会代表 中畑郁美さん(横浜市消協)からアンケート結果について報告された。女性連絡会はここ数年、組織自体も確立され、女性連絡会各ブロック代表も活発な活動をしており、今後も女性消防職員間におけるネットワークをとり、活動することが報告された。また、ユース世代におけるアンケート結果について、ユース代表 古川智広さん(四條畷市消協)から報告された。アンケート結果を受け、全消協のおけるユース部の必要性に触れ、青年層の問題解決や次世代リーダー育成を目指し設立に向け行動することが報告された。

2日目は、①組織強化・拡大、②賃金・労働条件の改善、③消防救急体制の課題、④労働安全衛生、⑤男女共同参画の各分科会に分かれ、各課題について議論された。

【ユースサイドミーティング報告】

全消協におけるユース部のあり方を検討するため、研修集会参加者のユース世代(35歳以下)でサイドミーティングが開催された。予定にはなかったが、開催にあたり急きょ迫会長が出席され、ユース部設立に向けその必要性について説明を行った。

その後、ユース世代の幹事である仲野近畿ブロック幹事より、第33回定期総会活動方針に基づき、全消協におけるユース部の設立検討への経緯やユース世代だからこそ感じている幹事としての課題や問題意識などに触れ、「ユース世代から諸課題を認識することの重要性」について話された。

最後に、すでにユース部や青年部が存在する単協の活動報告を受けた。その内容は、新人職員のオルグ活動、ボランティアを通じた地域への貢献といった活動が報告され、また他の消協のユース世代と交流を深めることを目的とした県消協レベルやブロックレベルでの学習会やスポーツイベントの開催が報告され、交流することの重要性について報告された。

IMG_1399 第Ⅰ分科会 

「先へ 先へ 全消協 -組織強化・拡大」

第1分科会はホテル花水木の「花翠」の間Cで開会、参加人数66人(未組織消防4人)が参加した。

午前の部は自治労中央本部総合組織局長の荒金廣明氏から「消防職員協議会から労働組合となるために」と題して講義を受けた。講義では協議会から労働組合へ移行するにあたっての組織の在り方や会費等の課題、来るべき公務員制度改革と労働基本権問題などを学び、受講後は9グループに分かれ講義内容についての疑問や意見を話し合った。

午後は住吉光男副会長による「全消協第33回定期総会 第2号議案の解説」と題して、全消協が団結権を獲得後の在り方について基本方針を受講、その後に参加者からの意見で「難しい専門的言葉や、消防職員を含む公務員の労働基本権についての歴史がわからないので講義の内容が理解できない。またオルグをしたことがないので基本的なところを教えて貰いたい」との意見があり、急きょ「戦後の労働者や公務員」、「消防職員の労働基本権の歴史」、「未組織消防へのオルグ方法」などの講義を行った。

その後、一日の講義を受講してのグループワークを行い、各グループで各職場の実態や意見、労働組合への移行に対する期待と不安などを出し合い、各グループが発表し意見交換を行った。

IMG_1407第Ⅱ分科会  賃金・労働条件の改善のために

「交代制勤務における勤務時間の短縮に正統性はあるのか」

午前の部は自治労顧問弁護士の藤原修身弁護士を講師に迎え、「賃金・労働条件の改善のために」をテーマに関係法規の解説を受けた。労働基準法の成り立ちから、特殊勤務手当や時間外の不払いといった具体的な事例を挙げながら、我々消防職員に関連する法規について解説をされ、分かりやすい講義が展開された。最後に団結権問題にも触れられ、「労働基本権付与は、その国の成熟度とリンクしている。その意味では、団結権禁止は、時代遅れである。」と指摘し、講義を締めくくられた。

 午後の部は、ワークショップとして、平成20年の人事院勧告に基づく「交代制勤務者の勤務時間改正」をテーマに模擬労使交渉が行われた。模擬労使交渉は、参加者から代表を選び、2グループに分かれて行われた。第一グループが「夜間特殊業務手当廃止の無効性」に論点を据えたのに対して、第二グループは「無賃金拘束時間の延長の無効性」に論点を据えるかたちとなり、各グループが異なる論点を設定したことで、比較対象となる交渉が行われた。この二つの模擬労使交渉を受け、講師である藤原弁護士から各論点における法的な視点からの解説を受け、団結権獲得後における労使交渉への有意義なワークショップが行われた。

 

IMG_1571

第Ⅲ分科会

「救急医療体制の課題」

第Ⅲ分科会は80人が参加し、午前中は、座長である金田敬司幹事が「救急医療体制の課題」と題し、消防法の一部が改正された「傷病者の搬送及び受入れの実施基準に関する基準」の背景と経緯について報告を行った。続いて自治労顧問弁護士である細川潔弁護士からは「消防法と救急活動」と題して過去の判例からの国家賠償法について講演を受け、各消防本部おいて訴訟対策は必要と示された。次に伊丹市立病院看護師で自治労衛生医療評議会副議長でもある松丸重子さんからは「医療機関の現状と傷病者の搬送及び受入れの実施基準に関する基準」について、看護師立場からの熱い講演をいただき「問題の対策は今、自分たちで出来る取り組みからはじめよう」と午前のユーモアある講演は終了した。

午後からは 「医療機関の受入れ状況及び受入れ拒否事例」「救急活動における苦情、訴訟対策」

などをテーマにグループ討議と発表を行った。医療機関の受入れ状況及び受入れ拒否事例では、精神疾患、酩酊者、生活保護者の受入対策が必要との意見が多くあった。また、診療科目で特に眼科、耳鼻科、精神科などの受入整備が必要との声もあった。他にもいろいろな意見交換が活発に行われ参加者からDNARの対応についての質問があり、救急対応と法律、医療側からの患者への指導対応など講師から助言を受けた。

最後に総括として、石川事務局次長からは、今回の消防法の一部改正に伴う「傷病者の搬送及び受入れの実施基準に関する基準」の策定が各都道府県で進められている会議の場に地域実情の問題点など意見を伝えていく必要があるとまとめ終了した。

 

 

第Ⅳ分科会

「労働安全衛生~快適な職場づくり」

 IMG_1615

第Ⅳ分科会は「健康に働き続けられる職場を作る」を分科会のテーマに掲げ、自治労香川県本部特別執行委員・自治体労働安全衛生研究会アドバイザーと、労働安全衛生に関して数多くの経歴を持つ野中幹男氏を講師に分科会を開催した。

まず野中氏から「安全衛生委員会活性化のために」と題した講演を受け、それに対しての質疑応答があり、活発な質問が飛び交った。

その後、各グループに分かれKYT(危険予知トレーニング)シートをもとにグループでの討論が始められ、それぞれの所属の安全衛生に関する問題点や、改善策を話し合った。

昼食休憩後、午後からは「職場で具体的に何をするのか?」を議題に再びグループで討論し、討論結果の発表では、それぞれのグループの熱い意見やユニークな意見の発表があり、和やかな雰囲気のもと野中氏の講義を終えた。

分科会後半は地元消防職場見学で、14時30分にバスに乗り込み「四日市市及び桑名市消防通信指令事務組合」へと向かい、国内でも珍しいほぼ同規模の2つの市が通信指令室を共同運用している職場を約1時間にわたり見学し、共同運用を実施するにあたっての運用方法や勤務形態における問題点、また安全衛生対策の取り組みの重要性について学んだ。

この職場見学は四日市市消協と桑名市消協のご協力により実現したもので、感謝の気持ちを胸に抱きながら分科会を終えた。

 

IMG_1722第Ⅴ分科会 「男女平等参画」

第Ⅴ分科会は、男性15名、女性13名の計28名で実施された。

男女共同参画ということで、参加人数が男女ほぼ同じ人数となったことは、第Ⅴ分科会発足当時から考えると大きな前進である。

 今年は、自治労の野田さん、西田さんを迎え、女性隊員からみた消防職場についての発言から始まり、グループワークでは、職場の問題点について各グループで検討し、それぞれ発表することで、男女共同参画・ハラスメントに関する理解を深めることができた。

 西田さんは「男女共同参画やハラスメントの問題は、どうしても内容が重くなりがちである。最後に流れたDVDのように、楽しく仕事ができる環境をつくるのは職員一人一人である。 お互いを理解し、お互いを尊重しあえるように、この研究集会で学んだことを職場で発揮していただきたい。」と述べた。

女性連絡会を開催

これまでの女性連絡会の活動及び女性消防職員のネットワークを広げることを目標に掲示板の作成をしていることを報告した。

 今後、全消協女性連絡会は、幹事会と同様に各ブロックで女性連絡会を開催し、その活動報告を行えるまでにしたいと考えている。現在は九州ブロックが女性のみの活動を行っていることから、モデルケースとして九州ブロックを代表して鳥栖の中島さんに取組み状況を発表していただいた。

 非常に短い時間の会議であったが、女性ならでは話し合いが活発に行われた。今後、さらに女性消防職員は増加すると考えられる。協議会活動だけでなく、消防の中心に女性が進出する日のために、女性連絡会としてできることは何かを考えていきたい。 

 

ページトップへ