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全消協女性会員アンケート調査の結果について

女性連絡会代表 中畑郁実

<実施時期>
 
2009年5月1日基準日、回収期限2009年5月31日として実施した。

<調査対象>

全消協加盟の単協の女性会員を対象とした。(2008年の組織実態調査に基づき、41単協に配布)

<回収数>
139単協121人から回答を得た。集計内訳は別紙。

<回答内容の概要>
設問ごとの回答を、項目別に集計し全体に占める比率を表示した。なお、回答総数は121人分であるが、回答者によっては未回答の項目もあり、択一の設問であっても回答数の総計が一致しないものがある。

1. 回答者のパーソナルデータ

20代82人(67.8%)、30代35人(28.9%)、40代4人(3.3%)、採用年度も2000年以降が82.4%、独身者が85人(70.2%)と、極めて若い層で占められている。

2. 現在の業務内容

(1) 現在の業務内容
日勤の者25人、隔勤の者118人であり、一部に複数回答があったと推測するが、かなりの程度、女性消防職員が隔日勤務に就いていることが分かる。

(2) これまでの業務経験

上記と同様の傾向をうかがうことができる。

(3) 災害出動の経験とその内容

上記①②を裏付けるように92.6%の女性職員が災害出動を経験している。経験内容は救急がトップだが、火災も35.0%となっている。

(4) 希望する業務

日勤では予防(39.0%)、総務(19.5%)、救急(14.6%)で、隔勤では救急(45.9%)、警防(33.9%)、情報指令(10.4%)である。

(5) 今の業務は希望の業務かどうかとの問いには、58.3%が「希望通り」とし、「どちらかといえば希望通り」が30.0%と続いている。

(6) 希望通りにならない理由をどう考えるかとの設問には、女性職員に対する業務の制限を指摘している。

(7) 何歳まで災害出動したいかとの問いには、「定年まで」が30.8%でトップだが、残りは回答が割れており、業務内容と体力に照らしたとき年齢の壁を感じていることをうかがわせる。

3. 庁舎の施設について
施設ごとに女性専用の施設整備ができているかどうかを問う設問。トイレ(94.3%)、更衣室(77.7%)、仮眠室(65.8%)などは専用化されている比率が高いが、兼用となっているものも多く、施設整備の課題が多く残されていると言える。

協議会の取り組みにより整備できたとの回答が78.4%となっている。取り組みの必要性がわかる。

4. 職場の人間関係
セクシュアル・ハラスメントなどの経験について問う設問である。

(1) 男性職員との間の「いやな経験」の有無について、46.2%があったと回答している。

(2) 内容は、女性を蔑視する言動、うわさの流布、身体に関する不快な発言、宴席でのからかい等である。後段の「セクハラ経験の有無」の設問に対しても、さまざまな言葉によるセクシュアル・ハラスメント、身体への接触、つきまといなど、かなり悪質度の高い行為の被害経験が記載されている。

(3) 女性職員間での「いやな経験」は、24.6%があったとし、かげぐち、いやがらせ、女性職員どうし比較される等の経験が回答されている。

(4) セクシュアル・ハラスメントへの対応は、「何もせず」が28.3%でトップで、続いて、「抗議した」(25.0%)、「他人に相談した」(25.0%)と続く。抗議などをした結果、相手の態度は「変化した」(68.2%)、変化なし(22.7%)となっており、行為者本人に問題を指摘し改めるよう求めることは有意義であることがわかる。また職場などに、セクシュアル・ハラスメントについて相談できる人や機関が必要である。なお抗議しなかった場合のその後について問うた設問では、「続いている」「がまんしている」等の回答が見られる。

(5) 仕事の上で女性に対する差別を感じたことはありますかとの設問には、「ある」が52.2%であった。その内容は、女性であることを理由に業務が限定される、雑用を押し付けられる、現場に出してもらえない、過剰な配慮を受けるなどの記述があった。その解決努力を聞いた設問では、筋力トレーニングに励む、大型免許を取得する、消防長に面談して話した、協議会を通して申し入れた、などの記載があった。多くの女性消防職員が、女性であるという理由で一方的に処遇されることに疑問をもち、様々な努力を重ねていることがわかる。

5. 結婚と出産について

(1) 結婚、出産は仕事の障害になるかとの問いに、59.3%が「障害になる」と回答している。その内容は、隔日勤務から外され復帰が難しくなる、育児と仕事の両立が困難になると想定される、長期間休むことで職場に迷惑がかかるなどの記述が見られる。また、回答者のプロフィールを重ねてみると、多くが20~30代の未婚者であること、職場に女性職員が少なく、仕事と家庭の両立という点でアドバイスをくれる先輩がいないことなどもあり、不安が強いと思われる。

(2) 配偶者が消防職員である回答者は24人で全体の19.8%であるが、このうち、同じ消防職員であるため困ったことが「ある」のは16.0%であった。その内容は、隔日勤務のサイクルがずれてしまい、生活がすれ違いになった等の経験を記載した回答である。

(3) 子どものいる人、妊娠中の人に勤務体系の変化について問うた設問では、日勤の人でそのまま変わらない人が56.5%、隔勤から日勤に変わった人が34.8%、隔勤のままの人は4.3%で、隔勤者の場合の多くは日勤に移行することが多いと推測される。変化した場合の業務内容は、署から本部・総務へ異動、日勤の内勤、救急隊から救急事務、立ち入り検査業務から外れるなど、妊産婦の健康等を考慮したと思われる変更が行なわれている。そして、この業務内容の変更は90%が「希望通り」と回答している。

(4) 産休、育児休業の取得状況について聞いた設問では、年数はそれぞれ取得者により異なるが、多くの回答者がおおむね希望通り取得できたと回答した。希望よりも復職時期を優先してしまうとの回答もあった。

(5) 子どもを有する人が勤務中に誰に育児を委ねているかとの設問には、配偶者や義父母との回答があった。交代制勤務と育児の両立には家族の協力か欠かせないとの回答が見られる。

(6) 生理休暇の取得については、86.1%が「取ったことがない」とし、自由に取れるかとの問いに「はい」と答えたのは26.4%であった。取りにくい理由については、「男性職員ばかりで言える環境でない」「人員が少なく休めない」「職場に生理休暇に対する偏見がある」「取得するべきでないと言われた」との回答があった。女性が少数であるため、生理休暇制度への認知すら充分でない職場環境にあると言える。

 

6. 自由記載欄

幅広く様々な意見が記載されているが、それらにこめられている共通のものは、女性が圧倒的に少数である消防職場で、女性の採用の歴史も浅いゆえについていく先輩もほとんどない中で、一人ひとりの女性消防職員が仕事を切り拓いていくことの重さである。「全国の消防に働く女性の声を聞きたい。仲間と情報交換をするネットワークが欲しい」という意見は、こうした環境を背景とするものである。まずは、女性消防職員相互の情報交換の場をつくり、自分の職場の状況が当たり前ではないこと、全国には職場を改善した先進事例があること、自分と同じ悩みを持つ仲間がいることを知り、これを支えに協議会活動に参加することを促すことが必要である。

また、このアンケートで浮き彫りになった職場の課題を改善するため、男性の協議会会員が積極的に取り組みを進める必要がある。女性を現在の立場に置いているのは男性にその要因があり、現実を変えるためには男性も変わらなければならない。このアンケートを通して、全消協の女性会員は「職場を変えたい」「女性消防職員は変わりたい」というメッセージを発した。次は男性会員がアクションを起こす番である。

以  上  

・全消協女性会員アンケート調査結果はこちら(PDF 188 KB) >>
・全消協女性会員アンケート調査(調査票原本)はこちら(PDF 177 KB)  >>











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