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『BULLETIN』2015年3月号

Bulletin

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PSI-AP消防救急労働者ネットワーク

コーディネーター  仲野桂太

消防職員は労働組合をつくれない

日本の消防職員には労働組合を作る権利がない。つまり労働者の人権にあたる労働組合権のすべてがはく奪された状態である。日本は、1965年にILO87号条約(結社の自由と団結権保護)を批准している。しかし、国内法により消防職員には団結権を認めておらず、この条約の批准国(150ヵ国)の中で消防職員に団結権を認めていないのは日本だけである。この問題について、ILOは日本政府に対し再三にわたり是正勧告を行っているが、日本政府はこの問題を先送りし続けている。

また、韓国も日本と同様、消防職員に団結権を認めておらず、国民一人あたりに対する消防職員の数が世界的にみても少なく、PTSDなどの症状により全体の約40%がうつ病を発症し、平均寿命は約58.9歳というデータもあり、安全衛生やメンタルヘルスケアについても大きな問題を抱えている。こういった問題を解決するためにも、労働組合が必要であるが、日本と同様、労働組合を作る権利さえ認められていない。消防職員の労働組合権の問題は、日本や韓国だけではなくアジア太平洋地域の多くの消防職員が抱えた問題である。

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(2012年PSI世界大会で緊急決議案を提出)  (緊急決議案が圧倒的な支持を受け可決)

QPSセミナーで消防問題の議論

PSI-JCは、2014年6月にQPSセミナーを開催した。セミナーには80名が参加し、「消防・労働組合権」のセッションでは、PSI消防コーディネーターを務めるイタリアの消防職員Danilo Zulianiが、労働組合権を享受する消防職員の立場から、労働組合の必要性に関する講演を行った。会議には韓国の消防職員も参加し、ともに労働組合権の回復をめざし「自信と確信」を獲得できたセミナーとなった。

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(PSI-JC主催のQPSセミナーの会場)    (労働組合の必要性を訴えるDanilo Zuliani氏)

PSI-AP労働組合権セミナー

10月29日から11月1日、韓国・ソウル市でPSI-AP労働組合権セミナーが開催され、PSI本部からRosa Pavanelli書記長とSandra Vermuyten Equality & Rights Officerも参加した。アジア太平洋地域における労働組合権の侵害ははなはだしく、とりわけ公共部門の労働者は法律面でも実態面でも世界で最も厳しい環境にある。PSI本部も労働組合権は人権であるとし、他のグローバル・ユニオンやNGOなどと協力し、グローバルアクションとして取り組んでおり、韓国はその優先国として挙げられている。

ILO87号条約も98号条約も批准していない中で、結社の自由まで剥奪されている韓国消防職員が消防発展協議会(FFDC)を結成し、2013年にPSIに加盟したことは、彼らの大きな決意の表れである。

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(報告する仲野コーディネーター・左から2人目) (労働組合権セミナーにて報告を受ける参加者)

PSI-AP消防救急労働者ネットワークは、アジア太平洋地域の労働組合権を剥奪されているすべての消防職員のために、PSI本部に設けられた緊急労働者作業委員会、消防コーディネーター、Equality & Rights Officerなどとの連携を密にし、労働組合権回復に向けたキャンペーンやアクションを強化する。

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