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那覇市消防職員協議会が作った簡易救助器具と救命事例

那覇市消防職員協議会がペットボトルで作成した簡易救助器具。それを川や海沿いに設置していたことが救命に繋がり、全国的にも各メディアがニュースで大きく取り上げられ、那覇市消防局から救助に当たった男性と共に那覇市消防職員協議会へ表彰されるなど注目されました。協議会活動が1人の男性の命を救った事例について、那覇市消防職員協議会から報告をいただきましたので紹介します。

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ペットボトルでの簡易救助器具設置について

那覇市消防職員協議会会長 前城直也

先日、当協議会ペットボトルで作成・設置した簡易救助器具での救助事案がありましたので紹介します。

2015年2月16日正午すぎ、

市内を流れる川に70代の男性が財布を取ろうと誤って転落したもので、現場は潮の干満等により、足がつく場合もあるのですが、事故当時の水深は約1.8~2.0m程あり、発見された当時、要救助者は川縁の間知ブロック(擁壁等で多用される菱形のブロック)に指をかけてしがみついていたそうです。

そこで、通報を受けた当市消防局の指令情報課職員が簡易救助器具の使用を口頭指導、男性は通報を受けてから15分後に無事救助されました。

救助隊が到着するまでの間、男性はこの簡易救助器具にしがみついていたそうで、このことがニュースで取り上げられ、関係者の間で大きく話題となったことを大変うれしく思います。

この簡易救助器具は、那覇市消防職員協議会でのボランティア活動の一つとして実施したものですが、この度、今までのボランティア活動と今回の救助事案も含め、協議会のこれまでのボランティア活動が消防局に表彰されることとなりました。

私は消防に入って14年になりますが、これまで、協議会が消防本部から表彰されたという話は聞いたことが無く、これも、今まで協議会活動に尽力していただいた先輩方、また、活動に賛同し協力してくれる会員の皆様のおかげだと思います。

救助器具の設置は、ある役員からの提案から始まりました。

その役員は着衣泳の指導員講習を個人的に受けており、その講習を通して、海上保安庁がこのような器具を紹介していることを知りました。

ぜひ那覇市でも設置したいとの要望を受け、協議会のボランティア活動として、活動計画に取り入れたのがきっかけです。

器具は簡単に作れますが設置は簡単にはいかず、提案を受けてから設置に至るまで話し合いで6ヶ月要しました。

一番の問題は、この器具で事故が起こったらどうなるか?という事です。

そこで、市職労を通じて、弁護士を紹介してもらい、相談を受ける事にしました。見解は色々あるとは思いますが、その弁護士の結論からいうと、公園の遊具と一緒で、いくら注意書きをして管理をしていたとしても、特に子供が事故を起こした場合、過失がゼロになることは無いとの回答でした。

相談内容では、2種類の事故が想定され、まず一つは使用方法等を誤って救助に失敗した場合、これに関しては責任が問われることが無いだろうとのことでしたが、もう一つのイタズラ等で使用され事故が起きてしまった場合、これの方は過失をゼロにするのは難しいとのことでした。

いくら強調して注意書きをしたとしても、子供の場合、読めない・読まない事が想定されますが、器具の目的上、誰でも簡単に取り出せるようにしなければならないため、過失をゼロにするのは困難の極みともいう状況でした。

そこで、中学生ぐらいの年齢が扱え、小さな子供はイタズラ出来ないように設置する方法を検討しました。

まず、設置場所を高くして対応することを検討しましたが、高さがあっても登って取る可能性はぬぐえず、また、設置許可を受けていたのが河川の柵であったため、高さを稼ぐこともできず、ゴムなどで強く縛ってある程度の力が無いと取り出すように出来ないかというとも検討しましたが、そうすると救助の目的を外れてしまう。

中学生ぐらいの年齢が扱え、小さな子供はイタズラ出来ないように設置する方法。

結局、そのようなアイデアは思いつかず、最終的には市職労に相談すことになりました。

那覇市消防職員協議会では、アメリカの統治下にあったという沖縄県独自の歴史から、市職労との協力体制の下で活動をおこなっているので、闘争資金等、何かあった時の予算を独自で持ち合わせていないため、当時の市職労の委員長に設置活動への理解、そして、事故があった時の保障をお願いしたところ、快く引き受けてくださったので、そこで、ようやく設置に向けてのGOサインが出せる状況となりました。

こうして、ペットボトルでの簡易救助器具は平成26年の3月7日、会員約50名で作成・設置という運びとなりました。設置日までには職場の先輩方の理解と協力も有り、消防局、そして、市の防災室の後援を受け、また、現在でも会員の協力を受けて、維持管理にあたっています。

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