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2017年度の当面の活動方針

Ⅰ 基    調

1. 若干の経過および情勢

【国内外の情勢】
近隣諸国との関係は、依然こう着状態が続いています。2015年9月には中国で「抗日戦争勝利70周年記念式典」軍事パレードがあり、西側首脳の多くが欠席するなか、プーチン・ロシア大統領と朴槿恵・韓国大統領らの出席が話題となり、軍事パレードは中国の軍事力誇示の場となりました。また、10月には北朝鮮で党創建70年軍事パレードがあり、近隣諸国にとって一段と緊迫した状態となっています。
2016年は引き続き世界経済の低迷、サイバー攻撃、ISILや核を含めた対テロ対策、地球温暖化対策で、各国の協調対応がより一層強く求められます。また、幾つかの主要国では「選挙年」となります。とりわけ6月23日に行われた英国のEU残留是非を問う国民投票は、難民、移民、経済問題、対ロシア対応で揺れるEUの将来に大きく影響する注目選挙となり、離脱が決定的となった途端リーマンショックを髣髴させる勢いで株価が下落し、世界経済の混乱を招きました。
一方日本国内では、政府は、2015年秋にアベノミクス第2ステージと称して、「新・三本の矢」(GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ)を掲げ、「1億総活躍国民会議」を設置しました。2016年6月2日には「ニッポン1億総活躍プラン」を閣議決定しましたが、十分な議論がないまま政府主導の一方的な内容となっています。
2016春闘は民間大手を中心に3年連続のベースアップの実施や年間一時金の前進回答を引き出しました。中小企業で働く者や非正規労働者の賃金・労働条件の処遇改善を焦点に取り組みを進め、2015年までの水準には及ばないものの、5月9日時点の連合傘下3,807組合の引き上げ額は、加重平均で5,915円(2.02%)、中小共闘については加重平均4,514円(1.86%)、パートなど非正規労働者で時給18.21円となりました。
しかし、実質賃金は一時プラスに転じたものの、いまだマイナス傾向から脱しきれていない状況であり、安倍政権発足前よりむしろ悪化しています。消費税の引き上げや少子・高齢化が進む中で、国民の将来不安から個人消費は振るわず、国民の多くは景気回復を実感できていません。
政府は、成果報酬制による新たな労働時間制度を導入する「高度プロフェッショナル労働制」および裁量労働制を拡大する労働基準法改正法案の今国会での成立を断念しました。しかし、労基法改正により「残業代ゼロ」制度とも呼ばれる新たな制度が導入されれば、長時間労働が助長され、過労死を招く危険性が高まることは明らかです。
東日本大震災発生から5年半が経過する中、いまだ福島第一原発事故の終息見通しは立っていません。周辺の自治体は組織機能そのものが崩壊し住民は故郷を失いました。しかし、政府は使用済み核燃料の処理方法や安全確認が不十分なまま原子力発電の割合を、震災前の水準に近い20%台とする方向で検討に入っており、「重要なベースロード電源」として活用する考えです。
2016年4月14日21時26分に発生した「熊本地震」は、熊本県益城町を中心に甚大な被害をもたらしました。その後も、熊本県および大分県の広範囲で余震が続いており、予断を許さない状況が今もなお続いています。全消協は直後に開催した幹事会において、被災地への支援のために災害カンパを決定し、全国の単協に呼びかけました。
被災地の全消協の仲間たちや自治体職員は自身も被災している中、住民のために昼夜を問わず奮闘しています。被災者を支えるためにも、東日本大震災での経験を活かして、会員の安全・過労・メンタルヘルス対策を当局と協議会が一体となって実施しつつ、被災地の復興支援活動に取り組む必要があります。
また、東日本大震災時同様、緊急消防援助隊出動にかかった経費の実態調査を早急に実施し、引き続き総務省へ統一した支出基準を示すように働きかけます。
2016年7月10日に行われた第24回参議院議員通常選挙の結果、全消協で推薦した自治労組織内議員であり民進党消防政策議員懇談会事務局長のえさきたかし参議院議員が再選しました。
総務省対策をはじめとし、国会の中で消防職員の諸問題に取り組む政党や議員と連携した取り組みを継続します。

【公務員・消防職場を取り巻く情勢】
政府は2020年度のプライマリーバランス黒字化達成にむけた財政再建を推しすすめています。社会保障費をはじめ聖域なき歳出削減とあわせ、地方交付税総額及び公務員人件費の削減圧力が強まることが懸念されます。2014年に成立した改正地方公務員法により地方自治体に導入が義務付けられた人事評価制度は、総務省が示したスケジュールの2016年4月に本格実施されました。導入後の課題等を自治労と連携し、取り組みを強化する必要があります。
総務省は2006年7月に消防の広域化を消防組織法に明記され、広域化基本方針を2013年4月11日に改正、推進期限を2018年4月1日まで延長しました。内容は30万人の規模目標にとらわれず地域の実情を十分に考慮する必要があるとしています。また、小規模消防で今後、十分な消防防災体制が確保できないおそれがある市町村を含む地域や、広域化の気運が高まっている地域に対し、都道府県知事が消防広域化重点地域を指定し、国は広域化に伴う建設、整備、車両購入費などへの財政措置として地方交付税の措置率を一律70%としています。

Ⅱ 活 動 方 針

(1) 団結権回復に向けた取り組み

2012年衆議院議員選挙の結果、国民は自公政権を選択し第2次安倍政権が誕生しました。その後は、消防職員の団結権問題はほとんど議論されることなく地方公務員の給与削減を強く求めた地方交付税削減による圧力と締め付けのみが強行されました。「国家公務員法等の一部を改正する法律」が2014年4月11日に成立しました。自律的労使関係制度の措置について、国家公務員については改正国公法の審議において、衆参両院で「職員団体と所要の意見交換を行いつつ、合意形成に努める」との附帯決議が採択されているのみにとどまっています。
最終局面的には、政治判断に委ねざるを得ない訳ですが、全消協はこれで消防職員の団結権回復が消えてなくなったとは捉えてはいません。全消協が発足して以来、続けてきた団結権回復に対する運動は、今後も強力に継続していきます。
2012年11月第29回PSI世界大会において、全消協は、日本の公務職場を代表して消防職員の団結権を含む地方公務員制度改革二法案が審議未了のまま廃案となったことについて、法案成立を図る緊急決議案を提出し賛成多数で可決されました。また、2016年7月にはILO「結社の自由委員会」は日本政府に対して消防職員への団結権付与に関する10度目の勧告を行っています。
国際社会からの日本政府への圧力も、今や無視し続けることができない状況となっていることは確かです。全消協は今まで以上に連合、自治労とより強固な信頼・協力関係を構築し、グローバルスタンダードである公務労働者すべての労働基本権の確立にむけた取り組みを継続していきます。

【労働基本権回復のための政治活動の強化】
1. 連合、自治労との連携・協力関係を今まで以上に深め、粘り強く国に対して働きかけを行います。また、今後も民進党消防政策議員懇談会に対して支援と協力を求めるとともに、消防職員への労働基本権回復および地方公務員制度改革関連法案の早期成立にむけた働きかけを要請します。

【労働基本権回復にむけた国際連帯の強化】
2. 日本政府に対して、公務職場の労働基本権確立のための国際圧力を強めるため、PSIを通じてILOへの働きかけを要請します。
3. PSIに加盟する消防・救急労働者等との情報交換を通じ、労働基本権回復にむけ、国際連帯をさらに強化します。
4. PSI-JCの活動を通し、他産別交流を深めます。
(2) 組織強化・拡大の取り組み

自治労は2010年5月、未組織消防の組織化にむけて取り組むことを運動方針化し、全消協も組織拡大にむけて同年9月に組織化基本計画を策定しました。全消協各ブロックは同年12月に「組織強化・拡大方針およびアクションプラン」を作成し未組織の組織化に取り組み、進捗状況や未組織消防職場での問題・課題を検討し議論してきたところです。全消協は当面の目標として会員3万人体制を掲げて活動してきましたが、現在の会員数は全国の消防職員の1割弱にとどまっています。組織拡大を実現するために、全消協第37回総会では引き続き「組織強化・拡大方針及びアクションプラン」をベースとして組織強化・拡大を継続することを決定しています。全消協は自治労と連携し、今後も引き続き政党・省庁対策を行いながら、マスメディア等も活用し東京などの大規模消防対策なども含め組織化活動の活性化をはかります。単協・県消協においても、自治労・全消協が共同で制作したオルグ用DVD「世界一の消防をめざして」を活用した未組織職場オルグや、自治体単組が主導する消防職場交流を含めた組織化の展開など、日ごろの運動に根差した消防職員の組織化に取り組みます。
また、労働講座・研究集会などの機会を活用し、ユース世代の人材育成と組織強化に努めます。女性連絡会の活動にあっては、総務省消防庁より2015年7月に「消防本部における女性職員の更なる活躍に向けた検討会報告書」が公表され、女性消防吏員の増加が見込まれることを受け、女性連絡会の活動を強化し、これからの協議会を担うユースと女性が参画しやすい環境をつくります。
【組織強化・拡大方針およびアクションプランの取り組み】
1. 組織強化・拡大方針およびアクションプランに基づき、単協・県消協・組織化担当者・全消協が一体となり、未組織消防職場および未加入職員の組織化に取り組みます。また、新たな組織強化・拡大のあり方についての検討を行います。

【自治労本部との連携】
2. 自治労本部の消防組織化対策本部会議と連携し全国の状況を把握し、合同で組織化を進めます。
3. 全消協執行部と自治労本部組織担当役員で定期協議を行い、組織化にむけた議論を実施します。
4. 自治労大都市共闘に参加し、未組織政令市の組織化に取り組みます。
5. 消防職員の団結権回復のためにインターネットやマスメディア等を通じ積極的な情報発信をします。

【自治労各県本部・単組との連携】
6. 単協・県消協は、自治労各県本部に設置されている消防組織化対策委員会に積極的に参画し、消防職場の勤務実態や状況などを説明しながら、未組織消防職場へのアプローチ方法や組織化にむけた具体的取り組みを行います。
7. 単協・県消協は、自治労各県本部・単組に対し、消防職場の喫緊の諸課題や組織化に必要な情報提供を行います。
8. 自治労県本部および単組と連携し、議員や首長、消防長に対し組織化への理解を求めます。

【協議会活動を担う人材の育成】
9. 消防職場における労働問題の自主的解決能力の向上や職場環境の改善などに役立ち、将来における単協および全消協運動を活性化、さらに中心的役割を担っていく人材育成のために、労働講座およびリーダーセミナーを引き続き開催します。とりわけ、女性・ユース世代の積極的な参加を促します。
10.単協や県消協に対し、女性・ユース世代の協議会活動への積極的な参画を促します。
(3) これからの組織のあり方

「国家公務員法等の一部を改正する法律」が2014年4月11日に成立しました。自律的労使関係制度については、自公民生活の4党による合意に基づき「職員団体と意見交換を行いつつ合意形成に努める」旨が盛り込まれた附帯決議にとどまりました。この法律は、民主党政権時の制度改革案とは全く異なる内容となっています。
ILOからの国際圧力もあり近い将来、労働組合権を網羅した国家公務員制度改革にむけての議論を再開することは間違いありません。その時に、今まで醸成してきた公務職場への労働基本権保障の必然性をしっかりと発信し、確実なものとするために、これまで積み上げてきた全消協と連合、自治労との関係をさらに強固にしなければなりません。
全消協は2009年の第33回定期総会で、団結権回復後の組織のあり方を「自治労に合流することを前提とし、課題整理していく」ことを決定し、自治労と定期的に組織合流後の組織のあり方について検討を重ねてきました。
これからも今までと同様に自治労と協議を重ね、地方公共団体に働く同じ労働者として、共通した問題意識を持ちながらともにたたかう体制づくりを構築します。

【自治労への合流】
1. 全消協は、引き続き団結権回復を見据え自治労に組織合流することを前提に具体的協議を重ねていきます。とくに、自治労本部と全消協において組織合流のあり方について共通認識を深めます。
2. 県消協と各県本部についても連携と協力関係強化をはかり、各県における組織合流の準備を進めます。

(4) 賃金労働条件改善への取り組み

全消協は結成以来、賃金労働条件の問題解決に取り組んできました。しかし、当初からの課題である無賃金拘束時間の解消については未だ改善されていません。休憩時間の取り扱いについても依然として恣意的な休憩時間の繰り上げ・繰り下げが行われており、労働基準法の労働条件明示義務に反する違法性の高い運用実態も変わらないままです。また、非番・週休日に居住地からの外出規制も実態として存在します。これらのことを踏まえ全消協は引き続き全国の消防職場の実態を調査し、関係機関に働きかけ改善を求めます。
第186回通常国会において改正地方公務員法が成立、公布され、2016年度から地方公務員の人事評価制度が始まりました。その中身は能力・実績主義を基本とし、評価が給与に反映することが決定しています。しかし公務職場、とりわけ消防職場に実績主義は馴染みにくい制度です。全消協は自治労と連携し、公正・公平な制度となるよう取り組みます。
年金支給開始年齢が65歳に引き上げられ、それに伴い消防職場においても再任用制度が運用されていますが様々な問題を抱えています。自治体によっては同一価値労働・同一賃金の原則と乖離している職場も見受けられます。会員が安心安全に働ける再任用制度を目指すため現行制度を検証し、年金支給開始年齢まで健康に勤務できる体制づくりを調査・研究します。
東日本大震災時には、緊急消防援助隊派遣に伴う様々な問題が発生しましたが、全消協として取り組んだ結果、多くの自治体で手当の新設や条例整備がされました。しかし未だ条例整備を行わない自治体が存在するなど改善に至らない消防職場が多々あります。全消協は未整備消防の実態調査を行い条例整備に向けて支援を強化するとともに、国に対し不均衡な取扱いが行われないよう働きかけます。
【賃金・労働条件の改善】
1. 消防職員の賃金・労働条件改善に自治労と連携して取り組みます。
2. 消防職員の基本賃金及び諸手当の在り方について研究を進めます。賃金・諸手当の改善事例を収集し、その情報提供に努めます。
3. 一般職員との賃金格差が生じないよう積極的に情報交換を行い、昇給・昇格が不利益のないよう制度の整備を求めます。
4. 勤務時間や休日数などでの日勤者との格差、交代制勤務者間での格差が生じないよう制度の整備を求めます。勤務形態・労働時間の改善事例を収集し、その情報提供に努めます。

【無賃金拘束時間解消へ向けた取り組み】
5. 国に対し、休憩時間にかかる基本原則適用除外を定める労働基準法施行規則の見直しを求めます。
6. 自治労と連携し、自治労委員長と総務大臣との定例協議などを通じた行政対策や、協力国会議員と問題共有化を図るなど国会対策に取り組みます。
7. 人事委員会・公平委員会に対する措置要求、または訴訟などの動きがある単協の情報収集に努め、支援協力体制の確立を図ります。
8. 単協はシフト勤務制の導入など勤務制度の研究を行い、無賃金拘束時間を可能な限り短縮するよう求めます。

【勤務時間制度の改善】
9. 変形労働時間制の期間は「一箇月以内」を原則とし、使用者による恣意的な週休の振替運用については是正を求めます。
10. 労働時間配分の明確化を図り、休憩時間内の労働(出動など)に対して時間外勤務手当の支払を求めます。
11. 恒常的な時間外勤務を撤廃し、適正な人員配置のもと時間外勤務の縮減とサービス残業を廃止するよう求めます。

【人事評価制度への取り組み】
12. 賃金、昇給・昇格に大きな影響を与える人事評価制度の運用にあっては恣意的な評価がされないよう求めます。

【再任用制度への取り組み】
13. 単協は、希望者全員の任用にむけて関係団体と協議しながら職場の確保を図ります。
14. 年金支給開始年齢まで健康に勤務できる体制づくりを研究します。
15. 再任用者の賃金実態を調査します。

【災害等派遣勤務への取り組み】
16. 災害等派遣における加盟単協の処遇について調査研究します。
17. 派遣特殊勤務手当の新設状況と内容を調査研究します。
18. 国に対し、派遣時の勤務条件が均衡に取り扱われるよう基準を設けることを求めます。
(5) 労働安全衛生の確立

労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成と促進を目的とする法律です。
安衛法は最低基準を確保するだけでなく、より進んだ職場環境、安心・安全を実現することを目指しています。このことには、尊い命の犠牲がこめられ、二度と労働災害の犠牲者を出さない信念が込められています。
消防業務は、深夜勤務を伴う交替制勤務や長時間拘束などの過重労働であり、常に相手の状況に合わせて働くケア労働です。この労働条件下で質の高い公共サービスを提供するためには、これまで以上に職場の安全衛生体制の確立と労働安全衛生活動の強化をするとともに、安衛法を活用し、安全で快適な消防職場に即した職場環境を整備することが必要です。
消防職員の公務内外における死者や負傷者の発生する割合は、その職務の特殊性から他の行政職員と比較しても高い水準となっています。訓練時において、災害時の負傷者数を上回る現象がここ数年続いています。また災害現場活動で多くの仲間の命が危険にさらされています。労働災害が起こらないよう安全管理体制の確立に取り組むとともに業務に起因して発生したすべての死亡・傷病については、公務災害の認定を求めます。
併せて、近年の時代背景とともに増加傾向にあるメンタルヘルス・ハラスメント問題を認識し、その「犠牲者」を出さない取り組みを行います。

【労働安全衛生法の活用】
1. 厚生労働省に対し、消防業務を労働安全衛生法施行令の中で明確に位置づけるため、第3条(安全管理者を選任すべき事業所)、第8条(安全委員会を設けるべき事業所)の改正を求めます。
2. 労働安全衛生法の趣旨を活かし、民主的で職員一人ひとりが積極的に参画できる労働安全衛生活動を推進します。
3. 消防職場の労働安全衛生については、その職場で働く職員の意見や経験を尊重するとともに、医師、有識者、自治労関係者など、広範囲な専門家の参画により基準の見直しを行うよう求めます。
4. 現場活動は、あらゆる危険性が潜在しています。訓練中の安全管理にも細心の注意を払うとともに、健康で働きやすい職場の環境整備の適正化を図るため、必要な情報の提供・安全衛生教育の徹底・資機材の整備充実を図ります。また、開発された機械・器具が早期に消防職場に導入されるよう求めます。
5. 深夜業務に従事する職員の健康診断については、労働安全衛生法に基づいた適正な健康診断を行わせるとともに、その実施についても業務の一環として受診させるよう活動を進めます。また、結果分析と事後措置などの改善対応を求めます。
6. 労働安全衛生委員会への女性の参画を推進し、「男女がともに担う安全衛生活動」を確立します。
7. 消防職員が24時間職場に拘束されるなかで、福利厚生の充実は必要不可欠であるとの認識に立ち、食堂やリラックスできる休養室の整備、個人のプライバシーが守られる仮眠室の個室化などを求めます。

【労働災害・公務災害対策】
8. 労働災害が発生しないよう職場の安全管理体制を確立します。
9. 業務中や業務に起因して発生したと思われる死亡・傷病などについては、すべて公務災害認定請求及び補償を行うよう活動を進めます。
10. 公務起因性の立証について、公務非起因性の立証が行われた場合のみ公務外とする制度にむけて、労働者災害保険法等の改正を求めます。
11. 職員が療養する必要が生じた場合、安心して治療に専念できる体制づくりを求めます。また、職場復帰時からフルタイムで働くことが困難な場合、就業場所や業務内容の変更、規則の制定による段階的な職場復帰ができるよう、健康に配慮した体制づくりを研究します。
12. 原子力施設や危険物施設などが管轄内にある消防本部の災害対応体制の充実、また、関係機関との情報を共有、さらには、災害発生時に出動する消防職員の安全を確保する装備の充実や教育・訓練を国の責任において実施・徹底するよう働きかけます。

【メンタルヘルス対策】
13. メンタルヘルス対策として次のとおり取り組みます。
① 一次予防(職場の民主化・活性化、参加型安全衛生活動によるストレス・過労対策・快適職場づくり、厚生施設の整備・充実やサークル支援など福利厚生活動の充実、地域社会活動の推進と支援、基礎教育による予防対策)
② 二次予防(早期対策・早期治療のための利用しやすい相談体制の工夫・改善、リスナー・カウンセリングマインド研修等実践的な研修の実施)
③ 三次予防(療養休職の保障及びケア、リハビリ勤務、慣らし勤務等による復帰のための猶予期間の保障、カウンセリング体制の継続など職場復帰・再発防止対策)
14. メンタルヘルス問題を職場内で気軽に話し合える環境づくりを進めます。人権の尊重・プライバシーの保護を基本として、人事管理とは完全に切り離したカウンセリング体制の充実を求めます。
15. 本人や家族が各種ストレスについて理解し、心身の変化を早期に察知できるよう、研修・担当職員の養成などに努めます。
また、メンタルヘルス専門家を活用できるよう関係機関などと協力関係を築きます。
16. 2015年12月1日から、従業員50人以上の事業場に対して医師・保健師等によるストレスチェックが義務化されました。その重要性を鑑み消防職場での実施にむけて、安全衛生委員会等で協議を進めるとともに,実施済みの職場においては適正に実施されているかを注視します。
17. 職場でのすべてのハラスメントを予防し、相談体制の充実をめざします。

【自治労との連携】
18. 消防職場で労働安全衛生活動を推進するため自治労主催の安全衛生講座などに積極的に参加し、単協での活動に活かせるように取り組みます。
19. 自治労作成の「公務災害認定への取り組みマニュアル」を活用するなど積極的に関与し、公務災害認定にむけて取り組みを強化します。
20. 公務災害認定に向けて、学習・研鑽と情報の共有化をはかることを目的に、公務労協地公部会主催の「地方公務員災害補償基金支部労働側参与会議」に積極的に参加します。
(6) 男女平等参画社会実現の取り組み

内閣府は2015年12月より第4次男女共同参画基本計画に基づき、さまざまな施策を進めており、男女間の賃金格差の改善や女性の労働力率にあらわれるM字カーブの底上げ等も見られます。また、大震災の災害対応と復興・復旧にむけた取り組みの中で、女性目線による復興および防災対策の重要性が改めて認識され、男女平等参画社会の実現が災害に強い社会づくりであるともいわれています。
一方「世界経済フォーラム(WEF)」がまとめた男女格差報告(2015年第10版)の調査によると調査対象国145ヵ国中、日本は101位であり国際社会と比べるとまだまだ男女格差があり、女性にとって働きやすい社会であるとはいえない状況です。総務省消防庁の調べによると、女性消防職員は2015年4月1日現在4,425人で消防職員全体の約2.7%にすぎません。消防職場への女性の採用や職域の拡大を推進すること、施設や資機材など女性の働くことができる職場環境を整え、職場への男女平等の啓発や各ハラスメントの防止などの教育を実施し、今も続く「男職場」である消防職場を改革することが求められています。
男女平等参画は組織の活性化の要で、経済・社会を持続させる基盤であり女性のみの課題ではなく「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の観点からも男性や基本組織の課題であることを認識し、組織全体で意識改革の必要があります。職場や地域、協議会活動において男女を問わず、一人ひとりが消防職員としてその能力を十分に発揮し、生き生きと活躍できる場の実現にむけ全力で取り組みます。

【男女平等の推進】
1. 男女共同参画社会基本法を踏まえ、あらゆる社会制度・慣行をジェンダー中立のものにするため、職場における男女平等推進にむけて取り組みます。
2. 女性職員のさらなる積極的な採用と職域の拡大等を推進するため、女性職員のための施設や資機材の改善など環境整備を求めます。また男女間の処遇上の格差を是正し、男女平等の職場づくりを推進します。
3. 人事院の「育児・介護を行う職員の仕事と育児・介護の両立支援制度の活用に関する指針」の改正等を参考に、育児・介護を行う職員の両立支援制度を活用します。
4. 育児・介護を行う職員の超過勤務の制限を徹底します。また、育児のための短時間勤務制度について、条例化を進めるとともに実効性を高める取り組みを進め、男性職員の積極的な育児参加を奨励します。さらに、介護を行う職員のための短時間勤務制度の実現に取り組みます。
5. 地方公務員共済制度・事業について、性とライフスタイルに中立な制度設計を前提として、両立支援策や福祉事業などを充実するよう自治労と連携し対策を進めます。具体的には、介護休業全期間に関わる掛金の免除、育児・介護休業に関わる休業給付金の支給水準・期間の改善、出産費・出産手当の増額などを求めます。
6. 安全衛生委員会への女性の参画を推進し、男女がともに担う安全衛生活動を確立します。
7. セクシュアル・ハラスメントをはじめ、すべてのハラスメントに対し使用者責任を明確にしつつ、情報提供や予防対策、被害者救済対策に取り組みます。

【男女がともに担う全消協づくり】
8. 全消協の活動のすべての領域で女性の参画を促進します。また、女性連絡会の活動を強化し、男女がともに担う協議会を目指します。労働講座、リーダーセミナー、研究集会には女性枠を設けます。育児を行うすべての会員の参加を促すため、託児所を設置します。
9. 「すべてのハラスメント一掃宣言」に取り組みます。

【国際的な活動における男女平等の推進】
10. ワークルールの改善、男女平等、均等待遇の推進などILO条約等国際条約の批准および遵守の取り組みを強めます。
11. PSI規約に基づき、あらゆる活動での男女平等参画をめざします。

【女性の活躍】
12. 2016年6月、総務省消防庁長官を本部長とする「消防女性活躍推進本部」が設置されました。全国の女性消防吏員を2026年度当初までに2.4%から5%に引き上げることを目標にしています。全消協は、この政策の動向を注視し検証します。
(7) 救急の現状と課題

近年の救急需要は引き続き増加傾向にあり、医療の日進月歩に伴って、救急隊員に必要となる知識や技術などが高度化してきていることから、これらに対応するため、救急隊員の資質を一段と向上させ、十分な知識や熟練した技術を有する救急隊員の養成が重要な課題となっています。
傷病者を受け入れる医療機関では、ドクターヘリの導入やドクターカーの運用など、ハード面が充実し急性期の傷病者に対するシステムは着実に前進して救命率の向上に寄与しています。一方、通常の救急搬送では、救急需要の増加や医師不足等により受け入れ困難な状況もあります。
救急救命士の処置拡大や救急業務のあり方に関する検討会、総務省消防庁の緊急度判定体系実証検証事業において、国民の救急ニーズに応えるべく様々な議論が進められてきました。救急隊員に課せられた使命、責務はこれまで以上に重くのしかかり、知識も技術も高度化し、活動時のミスや不作為による処置の法的責任等精神的な負担も増大しており、個人レベルでは到底支えきれるものではありません。さらに近年は、大規模な自然災害や多数傷病者が発生する事件・事故が多発し、最先着隊として活動する救急隊員がPTSDなどを訴える例が多く報告されています。また、救急救命士の再教育、処置拡大に伴う追加講習や病院実習等により、職場では人員不足が常態化しているため、消防職員の充足率を高める必要があります。
全消協は、消防救急の抱える問題点を明確化し、救急救命士制度の効果的な運用と救急隊員の質的向上を目指すため、地域医療従事者と一体となり救急医療の充実にむけ関係省庁に対して働きかけます。

【国・都道府県への働きかけ】
1. 国に対し次のことを求めます。
① 都道府県MC協議会の運営状況を把握するとともに、十分に機能するよう指導を行うこと。
② 慢性的な人員不足により救急サービスの低下を招く恐れがあるため、人員確保に必要な財政措置を行うこと。
③ MC体制の地域間格差を解消するよう求めます。
2. 都道府県に対し次のことを求めます。
① MC協議会に現場で活動している消防職員の意見を反映させること。
② 都道府県は各地域MCと連携し、医療機関と消防機関との合意をはかること。

【救急業務の充実】
3. 救急業務の充実、救急隊員の労働安全の確立をはかるため、適正な労務管理を求めます。
4. CBRNE災害やMERS、新型インフルエンザ等の特異的事象に対応するための情報の提供や装備の充実をはかるよう求めます。

【地域医療との関わり】
5. 地域の救急医療の拡充のため、自治労衛生医療評議会との連携を強めます。
(8) 消防の広域化への対応

これまで、国は小規模消防本部を減らす目的で消防広域化を目指し、様々な施策で進めようとしてきましたが、地方の実態にそぐわず広域化が実現したのは僅かでした。
2013年4月に出された「市町村の消防の広域化に関する基本指針(通知)」で広域化支援のための財政措置や、広域化に伴う庁舎建設、高機能指令センター導入や車両購入などの地方交付税の措置率一律70%引き上げなどの財政的支援措置が示されました。これにより消防広域化重点地域を指定し、集中的に消防広域化が推進されています。
しかし、国がいくら推進しようとしても、消防広域化は地域の実情や実態、職員の労働条件の統一化など諸課題が山積しており、国の財政支援策だけで簡単に実施できるものではありません。全消協としては1990年5月のILO「消防職員の雇用及び労働条件に関する合同会議」の結論に基づき、総務省消防庁に対して、①広域再編を進めるにあたっては不必要な広域化は進めるべきではない。②住民サービスを現状より低下させない。③職員の削減や労働条件の悪化を伴わない。の3項目について自治労を通じ申し入れを行ってきました。
国の基本指針では、各自治体が財政的なメリットのみを追求し、住民サービスを低下させる恐れがあり、今後も広域化を実施した消防本部から情報を収集、検証し、自治労・関係議員・各種団体との連携を通じ、上記3項目に沿った広域化となるよう提言していく必要があります。

【国に対する取り組み】
1. 消防広域化の推進にあたっては、地域実情に即した広域化となるよう提言します。

【自治体に対する取り組み】
2. 広域化の推進にあたっては、財政効率化のみを主とした判断基準ではなく、地域実情を踏まえ住民サービスの向上を主とした計画を進めるよう提言していきます。
3. 地域住民と当該職員に対し広域化の情報を開示し、意見反映を図ることを求めます。
4. 消防職員の任用、賃金、労働条件などの処遇が不利益とならないよう求めます。

【広域化対策委員会の取り組み】
5. 都道府県が定める広域化推進計画及び広域化対象市町村が定める広域消防運営計画への対応については単協・県消協に対策委員会を設置し、次のとおり取り組みます。
① 単協・県消協は、広域化に関する情報の収集・提供を行います。
② 地域住民・各種団体・未組織消防に対し広域化に関する情報の収集・提供を行います。
③ 広域消防運営計画策定に際し、自治労各県本部・単組・組織内議員・協力議員と連携して各自治体当局に意見反映を行います。
④ 自治労県本部、単組と連携し、広域化を契機に未組織消防への組織拡大を図るよう取り組みます。また広域化により単協が多数派の未組織職場に埋没することがないよう取り組みます。
(9) 質の高い消防サービスの実現

全消協は、PSIの「質の高い公共サービス(QPSキャンペーン)」の一環として質の高い消防サービスの実現にむけ消防力の地域間格差の解消に自治労や民進党消防政策議員懇談会と連携し取り組んできました。PSIは、「質の高い公共サービスとは、質の高い労働条件下で働く質の高い労働者が提供するものであり、人間として尊厳を保つことのできる社会をつくり出すための必須要件に他ならない」と定義し、「質の高いサービスは人権である。さらに質の高いサービスは、質の高い労働者(良く教育され、公共部門の倫理観を備えた)が質の高い労働条件の下で、そしてサービス利用者が常に質の高さを望めるような財源を伴ってこそ初めて提供が可能になる」ことをゆるぎない信念としています。これは全消協の方針と同質であり、全消協の活動を推進することが、質の高い消防サービスに繋がります。
質の高い消防サービスの基礎となるのは消防力であり、その基本となるのが人材育成です。人員が充足され、平等に高い教育を受ける機会を持つこと、その力が遺憾なく発揮できる車両や資機材、システムおよび組織体制、消防予算が必要です。しかし、各自治体消防が整備すべき基準値は、「消防力の基準」から「消防力の整備指針」と改正され、「最低基準」から「整備すべき目標」となりました。地方財政悪化の影響により、十分な消防予算が担保されず、条例定数の削減や最低人員の切り下げが平然と行われています。全消協は、根本的問題である消防予算の確保、住民本位の消防行政の確立をめざし「質の高い消防サービス」の実現へむけた取り組みを推進します。

【質の高い消防サービスの実現への取り組み】
1. 単協・県消協は、住民ニーズの把握に努め地域住民と協働した活動を推進します。
2. 単協・県消協は、積極的に地域住民との交流の機会を設け、消防行政について検証・評価し、課題を共有します。
3. 単協・県消協は、災害時における自助・共助の重要性について協議を行い、地域における防災コミュニティーづくりに協力します。
4. 単協・県消協は、医療、福祉、保健、教育機関などと連携・協力し質の高い消防サービスの実現に取り組みます。

【消防力の整備指針への取り組み】
5. 単協は、消防当局および各自治体首長に現在の消防力および整備すべき目標について住民に対し十分に情報公開することを求めます。
6. 県消協は、県内すべての消防本部の消防力の整備状況を把握し、消防力の地域間格差が拡大しないよう各自治体および消防長会に要望します。
7. 全消協は、総務省消防庁に対し、自治労や民進党消防政策議員懇談会と連携し、全国的な消防力に関する課題提起を行います。消防力整備における国の責任を明確にさせるとともに、相応の予算措置を求めます。
【自治研活動への参画】
8. 単協・県消協は、自治労単組や県本部と連携し、自治研活動に積極的に参画します。
9. 全消協は、先進的事例を収集し、分析・検討を行うとともに、研究集会において政策提起します。また、自治労の主催する自治研集会に積極的に参画し連携・共有をはかります。
10. 全消協は、会員をはじめ各方面から幅広く、消防行政の将来的展望について意見の提供を求めます。
(10) 国際連帯活動の推進

全消協は日本の消防職員の団結権回復など目標達成には至っていないことから2012年11月第29回PSI世界大会において、消防職員の団結権を含む地方公務員制度改革二法案が審議未了のまま廃案となったことについて、法案成立をはかる緊急決議案を提出し賛成多数で可決されました。国際社会の中で共通の課題や諸問題解決のために連帯し、世界から日本に対して訴えていくことは全消協の目標達成には必要不可欠で、グローバルな活動展開が求められます。全消協はPSIの活動を通して、世界の公共部門労働者との連携をはかり、権利獲得に取り組みます。
PSIは基礎的公共サービスが人間らしい生活を営む上で必要であり、貧困の解決と社会格差の解消に有効であることを再評価し、「質の高い公共サービス・グローバルキャンペーン」を展開しています。全消協も市民の安心・安全を保障する消防行政の実現をはかるための取り組みを、権利獲得と労働条件改善の取り組みと一体のものとして推進します。また、PSIが重視しているジェンダー平等の取り組みやユースの参画を、全消協の活動のあらゆる領域に適用するとともに、男女平等の働きやすい消防職場づくりを推進します。全消協の活動は世界から注目されているとともに、労働者の権利が脆弱なアジア諸国から大きな期待が寄せられています。これらの期待に応えるため全消協はアジア諸国で先頭に立って団結権回復をめざし、その活動が各国に波及していくよう国際連帯の活性化をはかります。

【国際公務公共サービス労働運動の発展・強化の取り組み】
1. 日本の消防職員の団結権問題について、PSIの諸活動の場において訴え、国際労働運動の注目と国際世論の喚起に努めます。
2. PSI-JCの活動を積極的に担い、日本におけるPSI加盟組合の拡大など組織強化に寄与します。
3. 連合が重点とする、ILO94号条約(公契約)、105号条約(強制労働廃止)、111号条約(差別待遇禁止)、149号条約(看護労働)、183号条約(母性保護)など未批准条約の批准促進にむけ、連合、自治労とともに取り組みます。

【「質の高い公共サービス」実現の取り組み】
4. 「PSI2013-2017行動プログラム」が示され、平等で公正な社会の基礎となる質の高い公共サービスの実現を目標に、社会格差の解消、貧困撲滅、公共サービス労働者の労働基本権確立、公共サービスの市場化反対、男女平等やユースの参画など運動の活性化をはかります。

【アジア・太平洋地域を中心とする国際連帯の取り組み】
5. 2008年10月に設立されたPSIアジア太平洋地域「消防・救急労働者ネットワーク」に参加します。全消協からコーディネーターを選任し積極的に活動を担います。
6. 2013年5月PSIへの加盟が承認された韓国消防職員の自主組織FFDC(消防発展協議会)との連携を強化し、問題解決にむけてともに活動します。また、全消協主催の各種講座へFFDCを誘致およびFFDCがかかわる集会への参加など、双方組織の交流を深めます。
7. PSIアジア太平洋地域「消防・救急労働者ネットワーク」のコーディネーターが中心となり、アジア太平洋地域の消防・救急労働者の情報収集および意見交換を行い、PSI本部の消防担当者と連携しネットワークの拡大に取り組みます。
8. 全消協は、消防・救急労働者ネットワークを通じて得た質の高い消防サービスの優れた事例やアジア太平洋地域の消防・救急労働者の諸問題についてPSIに情報発信し、様々な国際組織と情報共有しながら国際連帯の推進をはかります。
9. PSI「質の高い公共サービス・グローバルキャンペーン」と連携し、PSI-JCが主催するQPSセミナーへ積極的に関わりQPS活動の推進をはかります。
10. 2017年第30回PSI世界大会を見据え、アジア太平洋地域での消防・救急労働者の課題や諸問題解決に向けて、全消協がリーダーシップを発揮しながら国際連帯活動に取り組みます。
(11) 女性連絡会の取り組み

全国の女性消防職員は、2015年4月1日現在4,425人で、昭和44年に初めて採用されて以来、年々増加傾向にはありますが、消防職員全体に占める女性の割合は約2.7%にとどまっており、残念ながら女性の進出が遅れている職場だと言わざるをえません。
2014年に女性連絡会が取り組んだ「全消協女性会員アンケート調査」の結果から、性差についての理解不足や施設の未整備、職域の壁、各種ハラスメントや人間関係の難しさに直面しており、結婚・妊娠・出産・育児・職場復帰など将来への不安を抱えながら働いている実態が判明しました。これらの問題は女性職員にのみ関係するものではなく、男女が共有すべき大きな課題です。
総務省消防庁より2015年7月に「消防本部における女性職員の更なる活躍に向けた検討会報告書」が公表されて以降、女性消防吏員の活躍推進にむけた通知が多く発出され、本格的に女性職員数増加への取り組みが始まりました。
女性消防職員の採用増加に伴う諸課題について今後も会員から広く意見を募るとともに、継続的に女性職員の勤務状況の把握に努め、女性が働きやすい職場環境の構築と、より良い消防行政をめざした活動を展開します。また、未組織女性職員にもホームページを通じ広報します。今後採用される職員のためにも、今まで以上に女性の意見に耳を傾け、それを反映していくことができる組織づくりを進め、男女がともに特性を発揮しながら働き続けられる環境づくりに取り組みます。

【活動強化】
1. 男女がともに協議会活動を担う体制を確立し、男女平等の職場をめざし、女性連絡会の活動を強化します。
2. 女性同士のネットワークを強化し、情報を共有します。そのため、全消協各種集会等にあわせて女性連絡会意見交換会を開催します。

【ホームページの活用】
3. 全消協ホームページにある女性連絡会の掲示板を活用し、女性を取り巻く環境の実態把握に努めます。
4. 女性連絡会の活動報告、学習会や関係機関の通知・通達などの情報を発信します。
5. 会員からの意見・要望について女性連絡会で検討し、幹事会で課題提起します。

【職場改善】
6. 仮眠室や浴室等の施設や被服等の個人装備、職域および各種ハラスメントなどについてのアンケート結果を分析、共有し、働きやすい職場環境をめざします。

【連帯活動の取り組み】
7. PSI-JC女性委員会およびユースネットワークの交流活動に参加します。
8. PSI規約に基づく、あらゆる活動での男女平等参画をめざし、女性の協議会活動への積極的な参画に取り組みます。
9. 自治労・他産別の交流活動に参加します。
(12) ユース部の取り組み

全消協ユース部は、次世代への協議会活動の継承を基本とし、リーダー育成等を目的に2011年に設置されました。設置後は、ユース世代を対象としたアンケートを実施し、ユース世代が何を協議会に求め、何を思っているのか、など現状の把握を行い精査してきました。
2014年の労働講座は、そういったユース世代の思いを考慮した内容をユース部および女性連絡会で考え、今まで以上に「参加者目線の労働講座」を合言葉に行いました。参加者からは同世代が労働講座を担ったことにより刺激を受けたとの声も聞かれ、今後も携わっていくことが必要です。
設置から5年が経過し、各種学習会等においてもユース世代の参加者が増え、次世代のリーダー育成を念頭に置いた活動が活発に行われています。
このことから、ユース世代の更なる意識の向上をはかることが協議会活動の原動力となっていくことは明確であり、また先達の築き上げてきた協議会活動の歴史を学ぶことも必要です。
全消協ユース部は今後も、ユース世代が協議会活動参画のきっかけとなるような労働講座や各種学習会を担っていき、自分たちの「問題」を「課題」として認識し、ともに活動できるユース世代の育成に取り組みます。

【ユース部の取り組み】
1. 全消協ニュース、ホームページ等を活用し情報発信の強化に取り組みます。
2. ユース世代が積極的に地域活動(ボランティア等)へ参加し、全消協の知名度向上に努めます。
3. PSI-JCに設置されているユースネットワークに参加し、PSI加盟諸国のユースとの連携強化をはかります。
4. 自治労・他産別との交流活動を行います。
5. 次世代のリーダー育成を目的としたユース世代の各種学習会へ参加を促すことにより、組織の一翼を担える人材を育成します。
6. 各種学習会においてユース部主体の講座等を担い、ユース世代の意識の向上に努めます。
7. 継続的にアンケート調査を実施し、その結果から抽出された内容を分析、共有し、ユース部活動へ反映します。
8. 単協のユース世代担当者を確認し、連絡体制を確立します。
9. 単協にユース部設置を求めるとともに、ユース世代のさらなる連携強化のため意見交換、交流を推奨します。

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