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PSI世界大会in ジュネーブ

 

2017年10月30日から11月3日にスイス・ジュネーブにおいて、5年に一度のPSI世界大会が開催された。
大会に先立ち、10月29日には事前セッションとして、若年労働者会議や女性コーカスなども開催された。
PSI-JC日本団として自治労をはじめ各産別から総勢43人が参加し、全消協からは村上直樹会長、竹内洋司事務局長、福山優花前女性連絡会幹事、仲野桂太特別幹事の4人が参加した。


PSI世界大会会場のCICG国際会議センター


全消協の参加メンバー

 

開会式では、デイブ・プレンティスPSI会長の歓迎のスピーチに始まり、ローザPSI書記長からは前回のダーバン大会以降の5年間の活動経過報告を含めたプレゼンテーションが行われた。

大会中は2018-2022年行動プログラムや、規約草案に対する加盟各国からの決議案・修正案について、多くの議論がなされた。

PSI−JC提出として、全消協と韓国発展協議会(FFDC)による労働基本権の早期回復にむけた議論の結果が強く反映された決議案である第17号統合決議案「日本の公務員と韓国消防職員の労働基本権」、および第37号統合決議案「公共サービスと公共サービス労働者の拡充で災害に強い社会づくり」の提案は、異論なく承認された。

また、大会二日目の「公共サービスにおける仕事の将来」のパネルディスカッションでは、全消協より村上直樹会長(JC副議長)がパネラーとして登壇した。このパネルにはガイ・ライダーILO事務局長も参加しており、活発な意見交換の中で村上直樹会長から日本の消防職員の現状や団結権の必要性を強く訴える発言をおこない会場から大きな拍手を受け、このパネルは終了した。


パネルディスカッションの様子


 村上会長とガイ・ライダーILO事務局長

 

今後も全消協はPSI-JC加盟組合と共に、世界的な連帯を持ちながら結成以来の悲願である団結権回復と民主的な消防職場の構築、より良い消防行政サービス確立のため取り組みを強化していく。

 

 

 

以下、村上直樹会長のスピーチ

 

パネル3:単なる雇用ではない-公共サービスにおける仕事の将来
「団結権と任務遂行における心得」

PSI加盟組合日本協議会(PSI-JC)
全消協会長 村上 直樹

(前略)
私が生まれ育った日本は、世界で唯一の被爆国であり、「ヒロシマ」「ナガサキ」に原爆が投下され、その年に約20万人もの命が奪われました。また、これまでの72年間で、被爆による関係で亡くなった方々は60万人を超えるといわれ、今もなお、苦しみ続けている方々が多く存在しております。
そのような中、核兵器のない世界を目指すために、国際社会をリードしてきたはずの日本では、核保有国の脅威にさらされ続け、なすすべもなく、今まさしく72年間守られてきた平和憲法が改正されようとしています。

また、毎年国内いたるところで地震や、台風による水害などの自然災害等の大規模な災害が頻発し、あらゆる現場での救援活動が繰り広げられています。
我々消防職員は、如何なる時も愛する家族を残してでも、現場に急行しなければならないという崇高な使命を負っています。市民が逃げまどう災害現場に立ち向かわなければなりません。しかし、その過酷な環境に耐えうる身体と、忍耐を養うという理由をもって、過度なシゴキや上意下達の職場環境が今も数多く存在しています。国民の生命・財産を守るという、強い使命感を持って採用された若い優秀な隊員が、それらのパワハラに耐えきれず、早期に職を辞したり、最悪の場合は自らの命を絶ってしまうという、悲しくも到底許すことのできない事実があります。
このことに関しては、連日のように報道がなされており、後を絶たないほどの状況です。
それは相談できる環境、いわゆる駆け込み寺である、労働組合がないからです。

全国消防職員協議会は、1977年8月、長崎県・出島会館で、消防職員の団結権回復と劣悪な勤務条件や消防制度の改善のため、自治労の全面的な支援を受け、36単協2500人の組織人員で結成しました。現在では、201単協1万3000人を超える組織となっておりますが、全国16万の消防職員数からみれば、一割にも満たない組織に過ぎません。
しかし、その声をもっともっと大きなものへ、との思いと、一日も早く団結権を回復するため、自治労の支援のもとPSIに単独加盟し、支援と協力を求め続けています。
我々日本の消防職員には、未だ団結権が認められておらず、ILO第87号条約を批准している国の中で、消防職員に団結権を保障していない国は「日本」だけとなっています。

2009年9月、民主党を中心とする政権が発足し、公務員の労働基本権問題や労使関係制度の改革にむけて、本格的な作業が始まりました。民主党政権下では、消防職員の団結権は着実に回復への道を辿っていました。
2010年10月に発足した「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」では議論が重ねられ、有識者会議により「付与が妥当」とされ、国民のコンセンサスを得ながら必要性と必然性に対する理解度を深めていくこととなりました。
2012年11月には、閣議決定を経て国会へ「地方公務員制度改革二法案」とあわせて消防職員への団結権付与について、議案提出されましたが、衆議院の解散により審議未了のまま廃案となり、消防職員の団結権回復への道筋は途切れてしまいました。その後、現政権に移行し、公務員に対する締め付けはますます厳しくなっています。
2016年7月、ILO「結社の自由委員会」は、日本政府に対して消防職員への団結権付与に関する10度目の勧告を行いましたが、未だ前向きな回答は得られていません。
日本政府が、これほどまでにILOの勧告を無視し続ける本当の理由は何なのか、会員一同理解に苦しむところです。

日本最大の労働組合のナショナルセンターである連合が、2017年2月「消防職員の労働組合を結成する権利に関する意識調査」を実施し公表しました。その結果、51.9%の国民が「消防職員に労働組合を結成する権利を認めるべき」と賛成しています。
また2017年4月には、連合主催の「熊本地震から一年、大規模災害時における消防職員の活動と団結権の必要性」と題したシンポジウムが開催され、消防職員の団結権問題が主たるテーマとなり、国内での世論喚起の取り組みが行われました。
全消協は、これらの取り組みから、今まで以上に自治労・連合と、より強固な信頼・協力関係を構築するとともに、PSI活動を通じて、グローバルスタンダードである、すべての公務労働者の労働基本権回復にむけた取り組みを継続していきます。

我々が、長年訴え続けてきた消防職員の団結権回復の議論は、政権交代後の今日まで、国政で議論されることのない状態が続いています。このような厳しい状況下においても、発足以来の最大目標である団結権回復をめざす運動を、全消協は今後も強力に継続していきます。
そして、一人でも多くの仲間を結集し、国民の命を守るはずの消防職員が、自らの命を絶つということを絶対に阻止し、明るく働き甲斐のある職場づくりをめざしていきたいと思っております。
それが、ひいては国民が安全に安心して生活ができる環境になることを信じています。

最後になりますが、日本の消防職場は、職員が労働組合をつくる権利さえも剥奪されており、民主的な職場環境とは言えない状況にあります。団結権を含む労働基本権が早急に回復されるよう今後も取り組んでいきます。
PSIに加盟する仲間の皆さん、是非とも強力なご支援をお願いしたいと思っております。
皆さんのお力添えと後押しを、日本の公務職場の労働者に結集していただけますよう、切にお願い申し上げ、私からの発言とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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