TOP > 各種報告 > 第32回全国消防職員研究集会

第32回全国消防職員研究集会

2003年5月14日から16日
神戸市ファッションマート

1. 第32回全国消防職員研究集会日程

【第1日】(5月14日)13:00~18:00 全体集会
13:00~13:05 開会・座長選出 小 川 幹 事
13:05~13:10 全消協あいさつ 米 田 晋会長
13:10~13:15 自治労本部あいさつ 竹花恭二副委員長
13:15~13:20 自治労兵庫県本部あいさつ 岩間茂副委員長
13:20~13:25 来賓あいさつ
13:25~14:05 経過報告 谷内事務局長
(休 憩)
14:15~15:05 基調講演「市町村合併にともなう地方自治の変化と消防行政-「共同」の地域崩壊と常備消防-」
財団法人地方自治総合研究所 辻山幸宣(つじやまたかのぶ)主任研究員
15:05~16:25 パネルディスカッション
「各地域で問われる住民本位の消防行政の実現に向けた単協運動」
<コーディネーター>
宮崎伸光法政大学教授
<パネラー>
米田晋会長、自治労本部 笠見猛組織局長、辻山幸宣(つじやまたかのぶ)主任研究員、高橋進消防総合研究委員(地域安心安全センター構想説明)
16:40~17:35 報告事項
「ILO公共緊急サービス部門合同会議:環境変化のなかでの社会対話」に関する報告
自治労本部 松永徳芳(まつながとくよし)産別建設局長
消防法・組織組織法の一部改正にかかる取り組み
川越哲雄副会長
17:35~18:00 各分科会の論点についての提起、質疑
(終了後、各自宿舎へチェックイン後、宿舎内夕食懇親会会場3階「六甲」へ再集合)
18:30~ 全体夕食懇親会(宿舎内3階「六甲」:立食パーティー)
【第2日】(5月15日)9:00~16:30 分科会討論
第1分科会 「組織強化・拡大と消防職員委員会の活用」
第2分科会 「賃金・労働条件の改善のために」
(公務員制度改革、市町村合併等取り巻く情勢を受けた賃金・労働条件の変化)
第3分科会 「快適な職場づくり」(労働安全衛生対策:メンタルヘルス・職場改善事例報告)
第4分科会 「21世紀の消防行政- 地域安全・安心センターを考える」
第5分科会 「救急現場の現状について(地域医療における救急体制の進捗状況)」
【第3日】(5月16日) 8:30~12:00全体集会
8:30~10:00 ・各分科会報告と質疑・討論
・各単協における特徴的な職場改善事例の紹介 川越哲雄副会長
(休憩)
10:10~12:00 ・大星ビル管理事件最高裁判決の意義と今後の運動課題
自治労本部菅家功(すがやいさお)労働局次長
・無賃金拘束時間解消に向けた今後の運動の方向性に関する提起と意見交換・質疑応答
谷内栄次事務局長
・集会のまとめ、閉会

第1分科会報告

分科会は三つのテーマを設定し次の3人より問題提起をいただきました。
1番目に吉澤伸夫自治労労働局次長から「労働基本権確立・公務員制度改革と消防職員委員会の活用」
と題し、次の事項について問題提起をいただきました。
(1)現段階における消防職員委員会の活用状況と課題
(2)労働基本権確立・公務員制度改革の情勢共有化と全消協の運動課題
(3)自主組織づくりに向けた消防職員委員会の活用
2番目に松永徳芳自治労産別建設局長から「消防職場をとりまく情勢と自治労の消防職員支援活動」と
題し、次の事項について問題提起をいただきました。
(1)組織化活動における全消協と自治労の運動連携に関する事
(2)消防をとりまく情勢を踏まえた具体的なオルグ活動の在り方
(3)6~8月期の自主組織づくり集中月間の取り組みの進め方
3番目に米田晋会長から「全消協組織強化・拡大5カ年計画と市町村合併の当面の取り組み」と題し、
次の事項について問題提起をいただきました。
(1)現場における市町村合併の動向と課題
(2)市町村合併による全消協組織・自主組織運動への影響
(3)市町村合併を契機とした全消協結成の促進
(4)組織拡大5ヶ年計画の推進に向けた現状と課題
以上の各テーマごとの討論ポイントとし個人発表と、現場実体報告や文書による多くの問題提起がありました。分科会を振り返って、組織強化拡大に対する必要性と関心の高さを感じました。

第2分科会報告

自治労本部菅家功労働局次長から、「公務員を取り巻く労働条件変化について」と題して、
1 公務員制度改革の課題
2 賃金制度の見直し動向
3 市町村合併にともなう身分保障・労働条件の整備
などについて問題提起をいただきました。引き続き、「公務員制度改革に伴う評価基準の問題・市町村合併にともなう身分保障の問題」についてグループワークを行いました。数多くの意見が出された中で、「協議会の意見を合併協議会に反映できるような取り組みが必要である。」と総括しました。
午後からは、全消協奥村義実消防総合研究委員会委員から「今後変化が予想される消防職員の労働条件」と題して・消防審議会答申を受けて現在国会に上程されている消防法及び消防組織法の一部改正にともない、常備消防の設置及び救急業務の実施義務が廃止され、消防行政が地方自治体の自主性にゆだねられる。
・国庫補助金・地方交付税の削減が予想される中、消防職員の労働条件を守るための取り組みが必要であるなどについて問題提起をいただきました。
続いてグループワークでは、「地方財政危機を背景として、いかに住民に理解の得られよう労働条件の改善をはかるにはどうすればよいか。」との率直な悩みをテーマとして、討議を行いました。
最後にまとめとして、「グループ討議の中では、示唆に富んだ提言が多数示された。住民から理解され、必要とされる職場となるよう、協議会活動を進めていきましょう」と確認して分科会を閉じました。
労働条件改善の取り組みが困難な経済状況下だからこそ、協議会活動の更なる前進が求められているのではないでしょうか。

第3分科会報告

快適な職場づくり
第3分科会では、「健康に働きつづけられる職場をつくる」をテーマに、上野 満雄自治労本部顧問医師に講演して頂きました。講演の中で取り扱われたテーマや提言については、次の通りです。
1 ストレス対策
(1) 当局側の消極的な取り組みや認識不足
(2) 職場でのストレス(上司・同僚とのトラブル)
(3) 職場環境(風呂・仮眠室・休憩室など)
などについて、データ収集や勉強会を通して職員全体に興味を持たせる。
2 安全対策
健康診断だけを捉えて言うのは論外で、分煙問題・VDT問題等幅広く考える。
3 メンタル・ヘルス
法律の整備不良や特にうつ病とそれに伴う自殺問題について提起され、その中で、消防職場では睡眠が取れないことが一番の問題で、仮眠室の個室化は最低の条件とし、また、うつ病の兆候や心の不調と性格傾向、その対応なども話されました。

講演の後、午後からは、その後、全消協が昨年度実施した「消防職員のメンタルヘルスに関するアンケート」の中間報告を行いました。この調査により、消防職員が職業的災害救援者として悲惨な災害現場へ出動することにより、心に大きなキズを受けることが明らかとなり、あわせて、日常業務や執務環境・人間関係からも強いストレスを受けていることが明らかとなりました。
また、越谷市消協・福山市消協の「庁舎建設に対する単協の取り組み」について報告を受けました。また、横浜市消防職員協議会・川崎市消防職員協議会から「公務災害認定に対する取り組み」と題し
・トレーニング中に発生した腰痛に対し、協議会の取り組みにより、公務外の災害認定の取り消しに至った
・長年の救急業務に携わることによるストレスの蓄積から発生した、脳血管障害の公務外認定を協議会のデータ収集と様々な人の協力により、認定を勝ち取ったとの取り組みの報告を受けました。
自分達が仕事を行う上で、おかしいと感じることをまず話し合うことからはじめ、小さなこと、実現可能なことから手をつけ、次の大きな目標に結びつける継続的な活動が必要であると参加者全員で確認しこの分科会を終了しました。

第4分科会報告

『21世紀の消防行政・地域安全安心センターを考える』では、宮崎伸光法政大学教授を助言者として迎え、今回は神戸開催ということもあり、「阪神淡路大震災から防災を通じ、消防が、地域住民の安心の拠り所となるにはどんなことが必要なのかを検討する。」とのコンセプトのもと分科会を進めました。
午前中は、宮崎伸光法政大学教授より、
1 阪神淡路大震災に見る消防行政の危機
2 20世紀までの消防行政
3 21世紀初頭の社会変化と消防行政
4 安全と安心のための拠点づくりへ
5 防災と消防行政を「神戸」から考える
などのテーマについて講演いただくとともに、参加者との間で意見交換を行いました。
その中では、新しい地域安全安心センター構想に取り入れるにあたっては、
○災害現場に出会った場合、バイスタンダーを有効に使ったチームプレイはできるのか
○救急活動への救助隊・消防隊の参加
○災害時の正確な情報を伝える方法
○災害予防・災害対策はもちろん、復興『まちづくり』に消防のノウハウを活かしたアドバイスをしなければならないのではないかなどに留意して、各地域で取り組みを進めればよいとの指摘がありました。
午後の「ひとと防災未来館」では、見学を通じて、震災から復興への過程を通じ、消防行政と地域住民がどう関わっていくべきか、安心して暮らせる街づくりとはいったいどんなものなのかなどについて考えました。
見学の後の感想としては、この震災地の中に、一つの安全安心センターが存在したことを発見しました。それは、北淡町の奇跡的な救出劇に見られるように、それは地域の人と人とのつながりや、ボランティア活動そのものにあることに気が付いたことです。
全消協が提起している地域安全・安心センター構想の実現は、今説明したようなネットワークをいかに確立できるかにかかっているのではないでしょうか。
消防が、安全と安心の拠り所となるためには、今後、地域住民が消防に何を求めているのかアンケート調査を行うなど地域住民に対話を行う姿勢を持ち続けていく必要があるのではないでしょうか。

第5分科会報告

第5分科会「救急医療体制について」は「地域における救急医療体制の現状と問題点」を分科会テーマとして、午前中は講演、午後は各単協からの報告とグループ討論を行いました。
横浜市立大学医学部救命救急センター講師の山{先生から「メディカルコントロール(MC)体制の現状と問題点」についてと、長野県救急センター診療科長の清水先生から「地域における救急体制の進捗状況について」講演を頂き、救急医療体制の状況と経過報告、指導医の育成、確保、MCは病院を含めた中で構築することが必要であるとの提起がありました。
午後は、実践報告として、「地域救急医療体制の現状」を京田辺市消防職員協議会の山_道彦さんからは、運営・経費などの実務面から考察した報告を受けました。その後、9班に分かれ「討論の柱」で提起した内容を班毎に討論し、その結果を各班毎に発表しました。代表的なものとしては、以下の通りです。
○地域医療機関と消防救急の連携と現状並びに問題点と解決、MC体制の強化
○救急処置拡大
○消防救急における新型感染症(SARS)、並びにテロによる生物・化学兵器の対応と問題点
最後に、助言者からまとめとして、以下の提言を受けました。
・市民の付託に応えた救急業務を行うには、消防全体がレベルアップすること。
・病院の先生や自治体を超えた活動の取り組みが必要である。
・MCは始まったばかりだが、今後の検証が必要である。

ページトップへ