PSI-JCジェンダー平等セミナー
2024年11月29日(金)、PSI-JCジェンダー平等セミナーが東京・日本教育会館にて開催された。PSI-JC各加盟組合から参集54人、ウェブ19人の計73人が参加した。
本セミナーはPSIおよびPSI-JCの組織とPSIのジェンダーの課題について理解を深めるとともに、各加盟組合の活動に反映させ、ジェンダー平等社会の実現をめざすことを目的として開催された。全消協からは朽木麻里奈女性連絡会代表および鈴木直人ユース部代表のほか、計12人が参加した。
はじめに木村ひとみPSI-JC女性委員議長より挨拶が行われ、PSI-JCの加盟組合の紹介・説明の後、一般社団法人ジェンダー総合研究所共同代表・濱田真理さん、安藤真奈美さんによる、ハラスメントに関する講演「アクティブ・バイスタンダーについての知識と実践」が知識編と実践編の2本立てで実施された。
知識編では講義が行われた。「アクティブ・バイスタンダー」とは、ハラスメントや差別、暴力などの被害が起きたとき、その場に居合わせた第三者が被害を軽減するために積極的に行動するという考え方で、近年暴力やハラスメントの発生を防ぐ、被害者が声を上げやすくすることや差別の抑止力として注目されているもの。差別に中立という立場はなく、小さくても勇気を持った一歩を踏み出す「アライ」になっていくことが重要であり、被害者が減る=加害者を減らすことにも繋がるといった説明を受けた。
実践編は、参加者が3人1組となり、3つのハラスメントの場面を想定したロールプレイによる研修を行った。バイスタンダーによる介入方法には、「たよレます」①た…助けを呼ぶ、②よ…寄り添う、③レ…レコーディングする、④ま…間違いを指摘する、⑤す…すり替える、という5つの方法があり、それらを駆使して介入をする。介入する際には自分にも危険が伴う場合があるため、自分自身の安全を確保できていることが大前提となるが、各想定の中で考えられる介入方法をグループで意見を出し合い、全体で共有し、非常に盛り上がる内容であった。最後に八巻由美PSI-JC事務局長が総括を行い、閉会した。また、セミナー終了後には懇親会も行われ、他組織会員との非常に貴重な交流の場となった。
セミナー参加者からは「ハラスメントの当事者にならないための研修等は受けたことはあったが、第三者としての事態が悪化しない考え方は初めて知った。この手法はハラスメント研修として取り組みやすいのではないか」「差別を見過ごすことは、消極的に差別へ加担しているのと同じという部分にハッとした」といった感想が寄せられ、さまざまな気づきを得られた研修となった。
本セミナーの参加を通じて得た他産別との繋がりを活かし、消防職場のジェンダー平等や働きやすい職場環境の実現にむけて、連携を強めていく。また、今後予定されている全消協女性交流会、ユースStepUpセミナーではこれらの経験を活かし、会員に対し知識の共有をはかっていきたい。