各種報告

全消協第54回労働講座

労働講座

2023年12月1日(金)、12月2日(土)東京・自治労会館で開催し、全国から37単協59名(未組織2名)が集まった。

講座の開催にあたり全消協を代表し、須藤洋典会長が主催者あいさつと本講座の趣旨を説明。須藤会長は「今回の労働講座は役員の方々、また役員候補の方々にお集まりいただいている。トップダウンではなく、ボトムアップを行って欲しい。単協1人、1人の底上げが重要で、役員だけが動くのではなく、全員で活動しないと職場環境は良くなることはない。この講座が今後の皆様方の職場環境改善に繋がることを切に願う。」と述べた。

【講座Ⅰ 政治・選挙】自治体職員の仕事は、国会や地方議会で決められる予算をもとに執行され、また、賃金・労働条件なども法令で定められている。そのため、政治に無関心であったとしても、無関係ではない。政治活動と選挙活動の違い、自治労組織内議員との連携の重要性などを講義いただいた。また国会の場で消防の現場を理解している議員の方々が発言し、それを反映させてもらわなければならないため、私たちの活動に議員の方々との連携は切っても切り離されないことを再確認した。

【講座Ⅱ 組織強化】組織は人同士の繋がりによって成り立つもので、組織強化はすべての世代の人材育成に取り組むことが大切。数は力であり、単協だけではなく、県、ブロック、また異業種の方々と情報交換をすることにより私たちが目指す明るく民主的な職場を構築することができる。全消協活動のSNS発信(Facebook、Instagram、X)、また、ホームページを昨年度リニューアルしたこと、全消協ニュースを使用した広報活動がある。まずは、協議会が何を行っているのかを会員に知ってもらい、それを理解することが重要である。

 

【講座Ⅲ 消防職員委員会】消防職員委員会は、大前提として団結権の代替措置ではないということを再認識し、団結権の必要性を訴えた。また、消防職員委員会は消防組織法で定められた権利であり、最大限に活用していくことが重要である。また、グループワーク後に当局側と委員側に分かれて模擬消防職員委員会を開催し、各班からそれぞれの自治体に合わせた様々な意見提出が行われた。

【講座Ⅳ 労働安全衛生】消防は、職務の特殊性からストレスが生まれやすく、ハラスメントが発生しやすい職場である。職務上の地位であったり、職場内の優位性などで行われる暴力行為等は絶対に起きてはならない。しかし、消防は人命にかかわる仕事であるため、ある一定程度の指導が必要な場合もある。そこで、指導を行う側、指導を受ける側の双方がハラスメントに対しての知識を持ち、働きやすい職場を目指してハラスメント対策の強化を行っていかなければならない。

【講座Ⅴ 国際連帯】2023年10月に開催されたPSI第31回世界大会に全消協から4人参加し、全世界の労働組合の方々と意見を交わして交流を深め、日本の消防職場の現状を訴えたことを報告した。このような国際交流を深めることで、ILOから労働基本権を付与するよう、すでに11回の勧告がなされており、今後は12回目の勧告を目指し活動している状況である。

最後に、須藤会長が総括として「知識の差や学ぶべき課題が異なることで、持ち帰って活動を活発にするためには、様々な考えがあると思うが、職員から上がってくる声をどう拾うか、この活動をどう知らしめて、どのような意見を上げるかが重要になる。地元に帰って勉強会を開くことや各署に出向いてみんなに話をしてみんなから意見を拾い上げて欲しい。その声が県消協、ブロック、そして全消協に集まり、国会議員や国際連帯組織を通じて、職場環境の改善に繋げていければと考える。今回、労働講座を通じて皆さんと繋がりができたので何でも問い合わせをしてください。我々、時間が許す限りお答えしますし、皆さんの所にも伺うようにいたします。」と述べ、講座を締めくくった。