各種報告

2016年度自治労寄付講座

全消協全般

2016年6月14日(火)明治大学駿河台キャンパスにおいて、開講された自治労寄付講座「消防職員の活動と地方自治体の役割」の講師を昨年に引き続き、仲野特別幹事が務めた。

自治労寄付講座は、地方自治体の役割と公共サービスの現状、意義のアピール、その現場で働くことの意味・意義について受講生に考えてもらうとともに、労働組合の積極的な役割を認識してもらうことを目的に明治大学にて毎年開講している。講師は自治労本部中央執行委員長をはじめ各公共部門で働く職員が務め、4月から約3カ月間にわたり、各テーマに沿って講義をおこなう。今年で8回目を迎える当講座であるが、全消協からも毎年講師を派遣している。

今回の講義内容について、消防職員の現状について説明し、消防職場の様々な課題に対する全国消防職員協議会の役割と、消防職の特性から労働組合の必要性を考察する内容の講義であった。

【写真:明治大学駿河台キャンパス】

【写真:講師を務めた仲野特別幹事】

受講した学生の感想

消防というのは本当に大事なお仕事なので職場環境が改善されることを望みますし、自分もそれに貢献できたらと思っています。(法学部・女性)

初めは消防にも労働組合があるのかと思っていましたが、その逆で驚きました。(農学部・女性)

消防・警察・自衛隊などは心身ともに強くないといけないと思うので上司に厳しい言葉を言われるのは仕方ないと思うが、それとパワハラは別問題です。さらにそれを労働組合などに訴えることができないのは非常にマズイと思います。(文学部・男性)

女性消防職員が全体の2%しかいないこと、パワハラの問題など普段は知ることができない消防の現状を知ることができた。(経営学部・女性)

女性消防職員の数はあまり多くないとは思っていたけど、全体の2%というのは驚いた。精神的にも過酷な仕事だけどメンタルヘルスケアがあまり充実していないと感じた。(経営学部・女性)

消防の仕事と今の消防が抱える問題をお話し頂きました。労働組合があれば少し良い方向に変わるのではと思いました。(経営学部・男性)

女性が消防の現場で働いていることは意外に思いました。実際に働いている方のお話しを聞きたいと思いました。また、人命救助の観点から辛い現場に多く遭遇することを改めて学ぶことができました。消防職員の方達が安心して働ける現場を作り上げていくことが重要だと思いました。(法学部・女性)

消防の仕事が厳しいものであるというのが、今回の講義を通してひしひしと伝わってきました。大変なのは、現場での業務だけではない無事に終えた後も精神的な苦しみに悩まされている人が沢山いるということを痛感しました。メンタルヘルスケアは消防の職場にとって改善すべき重要な課題であると思います。(法学部・女性)

一番印象的だったのは「隠れPTSD」の問題です。これほど消防職員の方々が精神的に辛い思いを抱えているということを知りませんでした。このような現実を世間により伝える必要があると思いましたし、実態をしっかり調査し職場環境を改善していくべきであると感じました。そのような中で全国消防職員協議会が重要な役割を果たしているのだと学ぶことができました。(法学部・女性)

今回の講義を受けて得たことは、消防職員が労働として負っているリスクに対して、団結権の存在などの保障が見合っていないという認識である。(経済学部・男性)

主要先進国で唯一消防職員に団結権がないということを初めて知りました。そして、職場内での問題も多く、それを解決するためには何かしらの組織を作って、動くことが重要であるということも改めて感じました。(経営学部・男性)

他の職業より命に関わる場面が多く重圧が大きい分、柔軟な職場づくりが大切だと思いました。(文学部・女性)

「助けたい」という思いから消防士になったのに、このようなことで辞めてしまうのは、とても勿体ないことだと思います。外からでは分からない内側の部分をもっと発信できるような環境作りが急がれると思います。(経済学部・男性)

女性ならでは物の見方や考え方もあると思うので、もう少し女性消防職員が増えればいいと思いました。(経済学部・男性)

女性消防職員というあまり印象のない部分に視点を当てて話をしていただいたので非常に関心を持てた。(政経学部・男性)

消防職員が抱える問題がここまで酷いものだとは思わなかった。労働環境が劣悪な理由の一つは団結権がないことである。(経営学部・男性)

今回の講義では一つ目のビデオで女性隊員の方の細かな工夫などが紹介されていて、これから将来に向かって良い方向へと向かうのではないかと感じたが、二つ目のビデオでパワハラや隊員のPTSDの問題など見直されるべき点があることを強く認識することができた。(文学部・男性)

使命感を持って働く姿は同じ女性としてとても憧れました。私の地元の消防も広域化されていますが、やはり地方では消防のみならず、広域化や合併といった事は、安易にしてしまうのは良くないのではないかと思いました。(文学部・女性)

災害時における初動体制の充実強化や管轄区域の適正化、経費削減など消防広域化には一見メリットが大きく見えた。だが、消防サービスの格差が生まれるといった問題が生じることから、もっと慎重に推進していく必要があるのだと思った。(文学部・女性)

※ほか多数のご意見を頂きました。