全消協第53回労働講座
労働講座
2022年12月16日(金)、東京・自治労会館で開催し、全国から67単協74名(参集48名・WEB24名・未組織2名)が集まった。
講座の開催にあたり全消協を代表し須藤洋典会長が主催者挨拶と本講座の趣旨を説明。須藤会長は「我々は、当然の事として住民に安全安心を提供するために、日々の業務、訓練をしている。雇用側は、我々に対し労務管理・安全衛生管理を徹底してくれているでしょうか?我々の義務、そして雇用側の義務をこの講座を通してしっかり学んで欲しい。この講座が今後の皆様方の職場環境改善に繋がることを切に願う。」と述べた。
【講座Ⅰ 組織強化・拡大】消防職員協議会になぜ強化が必要か。存続するための強化とともに必要なのが協議するための知識を付ける強化であること。管理職を説得するため、管理職がさらに当局に説明する材料を提供できるよう、そして悲願である団結権が回復した時にその力を活用できるよう、私たちは学習し、個人そして組織の力を強化する手法を学んだ。また、未組織職場で横行するハラスメント等の問題解決のためには組織化が必要であり、既存単協も連携して組織率を向上することが重要である。
【講座Ⅱ 労働安全衛生】現場活動や資機材を含めた安全管理体制の確立、メンタルヘルス対策を実践するためには、職場全体で理解し取り組むこと、現場で働く職員の声を反映させる事が重要であり、そのためには常に問題意識を持たなければならないことを学んだ。
【講座Ⅲ 賃金・労働条件】自分たちが働く職場環境がどのような法的根拠に基づいて規定されているか、基本的な労働基準法をもとに学習。基本となる関係法令や労働条件を職員自らが熟知する必要があることを学んだ。
【講座Ⅳ 財政】基本的な税の仕組みから地方公共団体と消防財政との関係、基準財政需要額、緊急防災減災事業債、緊急消防援助隊設備整備費補助金等、一般・特定財源について学習した。
【講座Ⅴ 男女平等参画】育児・介護休業法等の法改正、女性活躍推進について理解を深めた。性別にかかわらず「協力し合って仕事も家庭も大事にする」という考え方を持つ必要があること。そのためには、男性の育児や家事への積極的な参加や女性が働きやすい環境づくりが重要であることを学んだ。
【講座Ⅵ 国際連帯】団結権の回復に向けた活動は、国内外を問わず様々なアプローチが必要である。総務省・総務省消防庁との定期協議(ILO議長集約に係る定期協議)は、第107回ILO会において、日本政府への11度目の勧告により、開催されている。総務省消防庁への要請行動、国会議員への消防職場の課題説明など、全ての活動が歯車のように連動している。消協の活動目標・目的の達成に向けた手段と行動の再確認、それらの活動内容については、Plan(計画)、Do(活動)、Check(検証)、Action(改善)のサイクルを回すことにより、活動の質を向上させ、最大限の効果を発揮させる。各単協では実感の湧かない国際連帯活動ではあるが、会員一人一人が全消協活動に参加、参画することで、団結権の回復に向けた大きな力となる。今後も国際連帯を継続し、団結権の回復に向け、全消協活動を推進していくことの重要性を認識することができた。
参加者は真剣な面持ちで話に聞き入り、グループワーク時には活発な議論もなされた。
最後に、小野英一副会長が総括として「バタフライ・エフェクトという理論を引用し、自分自身が身の回りで起こす小さなアクションが、より大きな動きにつながり、結果として大きな変化を社会にもたらす可能性がある。良いことも悪いことに、悪いことも良いことに変化する可能性を秘めている。消防職員協議会活動をとおして職場環境が良くなることは、自分、家族、住民サービスの向上に必ず繋がっていく。また、何か問題が起きた時にそれを取り除くのが消防職員協議会の役割である。ともに前進していく事をお願いする。」と述べ、講座を締めくくった。