各種報告

2015年度自治労寄附講座

全消協全般

2015年6月16日(火)明治大学駿河台キャンパスにおいて、開講された自治労寄付講座「消防職員の活動と地方自治体の役割」の講師を昨年に引き続き、仲野特別幹事が務めた。

自治労寄付講座は、地方自治体の役割と公共サービスの現状、意義のアピール、その現場で働くことの意味・意義について受講生に考えてもらうとともに、労働組合の積極的な役割を認識してもらうことを目的に明治大学にて毎年開講している。講師は自治労本部中央執行委員長をはじめ各公共部門で働く職員が務め、4月から約3カ月間にわたり、各テーマに沿って講義をおこなう。今年で7回目を迎える当講座であるが、全消協からも毎年講師を派遣している。

今回の講義内容について、消防職員の現状について説明し、消防職場の様々な課題に対する全国消防職員協議会の役割と、消防職の特性から労働組合の必要性を考察する内容の講義であった。

【写真:自治労寄付講座の講義の様子】

【写真:講師を務めた仲野特別幹事】

受講した学生の感想

【文学部・女性】女性消防職員の数が、著しく少ないことをはじめて知りました。国の早急な対策が必要であると感じました。

【情コミ学部・女性】人の命を守る仕事であり、消防士も労働者であることが理解できました。その中で団結権が認められていないのは、とても不思議に思いました。

【政経学部・男性】消防などは公共サービスとして当然あるべきだという認識が強かったが、消防職員が様々な問題を抱えながら、任務を遂行していることを知りました。そういった方の労働環境が改善され、より良いサービスをおこなって欲しいと感じました。

【文学部・男性】旧態依然とした現状を変えるためにも、全消協による団結権の回復運動が大切だと感じました。

【商学部・男性】消防士は正義感が強いからこそ、心が病んでしまう職員がいるのだと感じました。助けられなかった後悔や自分の心の弱さを感じてしまった結果ですが、それに追い打ちをかけるパワハラは絶対に許せないと思います。「真」の労働組合は、この社会に存在するのか、疑念に駆られる思いです。

【文部・女性】消防士の方でもPTSDの症状が出てしまうことが私にとって盲点でした。メンタルヘルスの理解が消防職員の方、全員に必要なことだと思います。また、日本がどうして消防職員の団結権をかたくなに認めないのか疑問に思いました。

【文学部・男性】命を守る消防隊員が自らの命を絶とうとするのを「心の弱さ」としか認識しない上層部はおかしい。

【政経学部・男性】警察や自衛隊などもそうですが、パワハラによる自殺者は立場の弱い若手職員が多いと思います。パワハラに対してチェックしたり、またマイナスになることなく、これを告発したり厳正な処分がされるように全国消防職員協議会の役割が期待されていると思いました。

【文学部・男性】人の命を助ける職業というのは、とても重要な職業であり、なくてはならないものです。これからは消防士が働きやすい環境を作るためにも団結権を行使できる環境をつくることが大切であると思いました。

【文学部・女性】私の出身地は東北で大震災を地元で経験しており、全国から多くの救援をいただきました。救援側の心理的ストレスを知り、救援側だって人間だという前提が忘れかけている気がして恐ろしく感じました。

【政経学部・男性】消防におけるパワハラやメンタルヘルスの問題は、消防士個人の問題には留まらない。消防士の精神的、肉体的問題は、その職業特性上、社会全体の福祉にも影響する。消防全体の前時代的な職場体質として早急に解決しなければならない課題だ。

【文学部・男性】女性消防士が少しずつ増加していることが意外だった。災害時などは、力のある男性が必要とされるため、消防に関しては男性職場のままで良いのでは感じた。

【経営学部・男性】社会の重責を担う消防士でありながら、私の国である韓国も含めて適切な福祉制度が整備されていない。福祉を守る存在である消防士に、より見合った待遇をすべきであると私は考える。

【政経学部・女性】主要先進国で日本だけが消防に団結権がないという事実を初めて知り、当然あるものだと思っていたので驚きました。民間企業とは異なり、専門性の高い職業だからこそ団結権は必要だと今日の講義を聞いて感じました。

【文学部・女性】女性消防職員がここまで働きにくい環境だと思っていなかったので、庁舎や施設の環境整備は急務であると感じました。

【政経学部・女性】消防というと防災訓練やドラマなど、表面的な部分しか触れる機会がないので、この古い体質をどう変えていくのか、またメンタルヘルスケアをどのように進めていくのかが気になる。

【経営学部・男性】もう一度、消防職員の団結権も含めた公務員制度改革について、国会で触れてほしいと思いました。

【政経学部・男性】職場の不満やトラブルの解決システムが不十分であることから、パワハラなどの問題が生じている。公共の福祉を害しない範囲で、団結権を認めるべきだと感じた。

【商学部・女性】消防というと男性、力仕事というイメージが強かったです。女性の働きやすい環境が整えられ、活躍の場が広がると良いと思いました。

※ほか多数のご意見を頂きました。