各種報告

2023年度自治労寄付講座

全消協全般

2023年6月1日(木)、自治労が明治大学で開校している寄付講座「地方自治体の仕事と労働組合」(履修登録約190人)のうちの1回を、駿河台キャンパスにて「消防職員の活動と地方自治体の責務」と題して実施した。
本講座は、公共サービスを担っている地方自治体や自治体関連の事業体の職員、業務委託先の民間労働者を講師に、公共サービスを取り巻く諸問題についての解決策や、地方自治体の職員組合や公共サービス関連の労働組合の役割について考え、学ぶことを目的にしている。

講師の北海道ブロック長谷川幹事から、消防職員は地方自治体の職員として、市民の安心・安全を守るため、24時間勤務で働いている。火災・救急・救助の現場活動はもちろん、近年大規模・複雑多様化している地震や風水害等の自然災害では、必ずしも各自治体内での活動に留まらず、緊急消防援助隊として、消防が一丸となって対応している。現場活動だけでなく訓練も危険と隣合わせであり、装備や設備が十分でなければ職員の安全が脅かされることになる。更に、女性活躍推進によって、10年前は約2%であった女性消防吏員は、3.8%と増加しているが、男女が共に働きやすい消防職場づくりまでは道半ばである。より働きやすい職場環境の構築のためには、現場の声を行政に反映させる必要があるが、日本の消防職員には労働組合権がすべて認められていない。その現状を打開するために設立された全国消防職員協議会の役割と、消防職の特性から労働組合の必要性を考察するとともに、消防職を通じて感じた命の大切さを伝えた。

受講した学生からは、「自分の知っていた消防の仕事は、ごく一部だと理解できた」、「全国消防職員協議会の必要性を理解でき、今すぐ消防職員へ団結権を与えるべきだと思った」、「命に値段はつけられない尊いものだということに命の重みを感じた」と言った声が聞かれた。