女性連絡会

全消協第1回女性連絡会・ユース部合同セミナー

イベント

2023年2月15日(水)~16日(木)の2日開催で大阪府大阪市のハートンホテル北梅田にて、「全消協第1回女性連絡会・ユース部合同セミナー」を開催した。合同セミナーは初めての試みで、59名の参加があった。
開会にあたっては、須藤会長から「各単協の取り組みなど活発に意見交換を行ってほしい」とあいさつがあった。

1日目は、元自衛官の五ノ井里奈様をお招きして、ご自身の体験について講演いただいた。
五ノ井様は、小学生の時に東日本大震災で被災されたことをきっかけに、令和2年に20歳で自衛隊に入隊。昨年6月に性暴力被害を告発し、8月に防衛省が再調査した結果、自衛隊からの謝罪、加害者からの謝罪を受けている。現在も力強く活動されておられ、その体験について女性連絡会四国ブロック・三好幹事と対談形式で講演いただいた。
五ノ井様の体験はとても壮絶なもので、告発後も世間からの心ないコメントなどを受け、「死のうと思った」など赤裸々にお話しいただいた。しかし、昨年3月に起きた福島県沖の地震が五ノ井様を引き留めてくれた。東日本大震災を思い出させる地震で、生きて立ち向かうことを改めて教えてくれたとのことであった。実名で被害を訴える中の恐怖は計り知れないものがある。志を持った自衛隊という職業の中で起きた性暴力被害は、五ノ井様の心を壊しかねないものであったことを改めて強く感じる講演だった。


講演後は、五ノ井様にも参加いただき、グループワークを行った。質問も飛び交いながら、「実際に被害を受けた場合や目撃、相談された場合はどうしたらよいのだろうか」と考えてみることができた。また、相談窓口の確認や証拠をどうすべきかなども考えさせられた。五ノ井様からは、「面談や相談などは録音することを勧める」とご教示いただいた。双方を守るために、そして意見が変わることもあるため記録が必要とのこと。記録や録音などの発想になりにくいと気づくことができたため、大きな発見であった。グループワークでは各単協での取り組みについても共有することができ、参加者には新たな発見も多くあったようだ。参加者からの声として、「当事者の方からのお話は貴重だった」「また参加してみたい」「参集で参加してみて新鮮に感じた」などの意見をいただくことができた。

2日目はジェンダー平等と題し、沖縄県ニライ消防職員協議会・又吉弥篤氏に講義していただいた。ご自身の経験談・消防職場内での出来事を基にした講義であり、参加者も身近なジェンダーについて考える内容であった。中には涙を流し受講する受講者も見られ、心に響くお話を共有していただいた。
次に、女性活躍推進と人の心を動かす会話について、全消協ユース部・上野将儀副代表の講義とグループワークを実施した。「女性消防吏員がもっと活躍するために何が必要なのか、何をしていけば良いのか、何を考えていけば良いのか」のテーマを基に、参加者間で活発な議論が展開された。中には「資器材の軽量化は女性隊員だけではなく、高齢職員・ユース世代を問わずすべての消防職員において必要なのではないか?」といった議題も発表され、参加者一同、有意義な時間となった。
最後に、ユース部代表が2日間の総括を実施し、アンケート回答後、セミナーは閉会となった。


今セミナーは全消協女性連絡会・ユース部幹事が参加した「PSI-JCジェンダー平等セミナー」の経験、知識の共有・還元を主な目的とした。女性連絡会・ユース部が合同で企画立案から運営まで共同実施した初めてのセミナーであった。これまでのセミナーと区別化するためハラスメントやジェンダー平等に対して重点的に主眼を置き、女性・ユース世代の興味関心を促すセミナーとなったと感じている。アンケート結果を精査し、今後も女性・ユース部活動活発化の観点から継続した開催を模索したい。